一度読んだら絶対に忘れない英単語の教科書 #323
2024年9月13日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 一度読んだら絶対に忘れない英単語の教科書
【著者】 牧野 智一
【出版社】 SBクリエイティブ
【価格】 ¥1,600+税
【購入】 こちら
「語源」を活用しながら英単語を覚えるという趣旨の単語本は本ブログにおいて今まで、#191 #264 と二冊の良書を紹介してきました。
これらは、「接頭辞」「語根」「接尾辞」ごとの意味・役割を理解させ、それらを含む英単語を覚えやすくするという目的から作られています。
一方で本書は、前半において、それぞれの単語の「本来の意味」をしっかりと覚えることで、そこから派生する多くの単語の意味を類推するという上記二冊とは異なる「英単語攻略」の方法の提案をしています。
ですので、すでにご紹介した二冊の「付属品による意味の類推」のみならず、本書の「本来の意味による類推」の力が加わることで、「暗記の呪縛」から逃れる術がもう一つ増えるという意味で非常に斬新だと感じました。
具体的には、「have」「take」「make」などの超基本単語の「本来の意味」を抑えることで、それらがとる目的語などとのコロケーションの習得や表現のバリエーションの理解に大きな効果があると感じましたし、「許す」や「捨てる」など、同じような意味の単語が複数ある時のそれぞれの使い分けの基準などについても、非常に分かりやすい指摘でした。
また、上記のような基本語は英語の祖であるゲルマン語由来の言葉ということになりますが、時代を経てその後大量に流入してきたラテン語由来の英単語について、約30個ほどのラテン語の意味を理解するによって数多くの英単語を類推することができるようにまとめられており、こちらも非常に有益だと感じました。
しかしながら、後半からは上記の二冊と同様、「接頭辞」「語根」「接尾辞」に注目して記憶のとっかかりとするという方法論がほとんどだったので、その点については少々既視感が強く感じざるを得ませんでした。
とはいえ、前半のインパクトがかなり強かったので、上記二冊を読んでいたとしても十分に元は取れる内容になっていると思います。