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英語と日本語のあいだ #75

2014年9月9日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介

英語

 

 

 

 

 

 

 

 

【書籍名】 英語と日本語のあいだ

【著者】  菅原克也

【出版社】 講談社現代新書

【価格】  ¥740 + 税

【購入】    こちら

本書を読んで、日本人にとっての英語教育の本質についての認識において、著者と私(およびランゲッジ・ヴィレッジ)で完全に一致していることに大変驚かされました。

具体的には、中学・高校における限られた時間の中では、文法・語彙・訳読の教育に重点を置くという従来の方法は方向性としては決して間違っていないという認識です。

これを、週に三回程度という非常に限定された時間で「オーラル」(私に言わせると九官鳥英語)中心の教授方法をとる方向に学校英語教育の現場がシフトしていることは大変な問題だと思っています。

これによって、英語で簡単な会話ができる人は増えるのかもしれないけれども、英語をきちんと体系的に理解する人が激減してしまう可能性が高くなってしまいます。

私は伝統的な日本人の英語学習に対して、「無駄であるけど無駄ではない」という表現しています。

これは、高校卒業の時点で「英語を話せない」という意味で言えば「無駄」のように見えるが、実は基礎的理解がきちんとできているため、例えばランゲッジ・ヴィレッジのような「使う」環境さえ与えられれば、1~2週間という短期間で「英語を話せる」潜在能力を有しているという意味で「無駄」ではないということです。

私が今最も危惧しているのは学校英語教育の改悪によって、このランゲッジ・ヴィレッジの効果発現のために必要な前提条件が失なわれてしまうのではないのかということです。今まであったはずの「無駄」のように見えるけれども実際には目に見えないところに存在する「10年間積み重ね」が存在しないわけですから、1~2週間の合宿ではどうにもできないということが起こってしまうかもしれないと心配しています。

本書を読んで、この心配は著者も共有していると確信しました。

本質を真正面からとらえた主張というのは読んでいても本当に気持ちがいいものですが、逆に本質を分かっているからこそ、現実的に走り出してしまっている制度に対して有効な対抗策が見いだせないという事実を前にして非常にやりきれない思いにさせられます。

 

 

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