
英語の思考法 #255
2021年10月14日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 英語の思考法
【著者】 井上逸兵
【出版社】 ちくま新書
【価格】 ¥860 + 税
【購入】 こちら
書籍紹介ブログでは、様々なテーマから英語関連書籍を様々ご紹介してきましたが、その多くが最近のトレンドである英語は「国際語」なのだから英語のオリジナル文化であるアングロサクソンのそれとは切り離して考えるべきだという「World Englishes」の考えを「善」としたものでした。
その意味では、本書はそれらとは異なる目論見で書かれています。
その目論見とは著者の言葉を借りれば、「文法や慣用句など、教育現場では『暗記物』とされそうな事柄が英語のコミュニケーションの根幹にかかわることを分かっていただく」ことです。
文法や慣用句とコミュニケーションの関係を学ぶということ、コミュニケーションとはすなわち文化と切っても切り離せない存在であることから、それは英語の文法(や慣用句)に潜む「英語の文化」を見出す作業だと言えます。
実際に読んでみると、敢えて文法というルールの中に潜む英語にオリジナルな思考を理解することによって英語学習をより深めようとする試みは、それはそれで面白い試みだということに気づかされます。
最近のトレンドのおかげで、日本人英語で十分だという主張に勇気づけられてきた方も多くいらっしゃると思いますが、もちろんそれはしっかりとしたベースとしながらも、たまには「急がば回れ」的な意味を感じることで、そのベースの理解を深める余裕を持つこともまたアリではないかと思います。