
英語の発想・日本語の発想 #228
2019年11月8日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 英語の発想・日本語の発想
【著者】 外山 滋比古
【出版社】 日本放送出版協会
【価格】 ¥870 + 税
【購入】 こちら
高校時代、いや社会人になってからも長文読解問題を制限時間の中ですべてを読みこなすことがどうしてもできなかったこと、今でも時々夢に出てきそうになります。
明らかに制限時間と問題文の分量があっていないと当時は自分勝手に出題者を責めていましたが、その原因は、頭の中で日本語に直してしまう欲求に逆らえきれない自分自身にありました。
その欲求に打ち勝つために、「英語をそのまま受け入れろ」「頭から素直に読み進めろ」という高校や予備校の先生のアドバイスにしたがって、意識してまた問題に立ち向かいますが、やはりそのスピードがはかばかしく速くなることはありません。
それは英語の発想と日本語の発想がそれぞれ正反対のベースに立脚しているからであり、そこから生じる生来の日本人としてのハンデを克服するには、「日本語の発想」から自由になるしかありません。
本書は、この英語と日本語の発想の違いについて、様々な事例を取り上げながら解説を加えたものです。
そして、その一つ一つが、英語・日本語の比較言語論の大家である著者の非常に深い知識と分析によって、いちいち「なるほど!」と感心してしまう内容になっています。
ただ、残念ながら、その納得と感心は、必ずしも冒頭の私の悪夢を解消するほど即効性のある解決方法にはつながらないということは、あらかじめお断りしておくべきかと思います。(笑)
文責:代表 秋山昌広