
英語の雑談力が上がるちょっとしたフレーズ #350
2025年7月2日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 英語の雑談力が上がるちょっとしたフレーズ
【著者】 モーゲンスタン陽子
【出版社】 幻冬舎
【価格】 ¥1,100 +税
【購入】 こちら
私は常々、お役立ちフレーズを覚えるような英語学習はまるで「九官鳥英語」とでもいうべきもので、そういった類の本をできる限り排除するような姿勢を取ってきました。
そこへ来ての本書のご紹介、しかもそのタイトルの最後が「ちょっとしたフレーズ」という軽々しさで、一体どういう風の吹き回しかと思われるかもしれません。
もちろん、「大人」の日本人が英語を学習するには、英文法をきちんと学び、最低限必要な語彙を学び、そしてそれらを組み合わせることで文を作成する力を身に着けた上で、後は会話の嵐の中に身を置き、その文作成に必要な時間を極限まで短くするようなトレーニングを行うことが最も大切であり、その文がナチュラルかどうかよりもまずは、まとまった意味を伝えることができるようにするのが何よりも重要だという私の確信に揺るぎは一切ありません。
それなのになぜ本書をご紹介するのか。
それは、その(まとまった意味を伝えることができる)レベルにまで到達した人は必ず、ナチュラルなレベルを求めたくなるものからです。
そのレベルに達した人にとっては、本書のような教材は十分意味のあるものになります。
ですが、往々にして「ちょっとしたフレーズ」とか「これだけ覚えればOK」的な書籍には、上記のような地道な作業を行わなければならないようなレベルの人ほど手を伸ばしやすいという現実があるからです。
上記のような私の主張をサポートしてくれる著者の言葉を本書より引用します。
「私がトロント大学で英語を学び、生活しているうちに気になりだしたのは、『自分たちの英語は、間違っているわけではないのに、ネイティブの使う言葉となんとなく言い回しが違う』ということです。私は、それまで数々の参考書や教科書の編集に携わった経験があったので、『学校英語』には割と精通していました。それでも、『ネイティブとは使う言葉のセンスが違う』と感じる場面はたびたび訪れるのです。」
まさにここです。
この場面が訪れたタイミングで本書を使っていただきたいのです。
よく薬のCMには「用法・用量を守ってお使いください」というアラートがありますが、本書は「タイミングを守ってお使いください」というアラートとともにお勧めしたいと思います。