英語リーディングの秘密 #330
2024年11月14日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 英語リーディングの秘密
【著者】 薬袋 善郎
【出版社】 研究社
【価格】 ¥1,300+税
【購入】 こちら
1996年出版の古い本ですが本書の帯には、
「やみくもに多読・速読を重ねても、真の読解力は身に付きません。英文を正確に読める人の頭のはたらきを余すところなく解き明かします。」
というシンプル且つしびれるような頼もしい一言が書かれていました。
つまり、本書の著者は何よりも正確に英文を分析するための「文法」を重視しています。
当然ですが、英語の「文法」において最も重要なのは、「文型(骨格)」、つまりSV/SVO/SVC/SVOO/SVOCの5文型です。
そして、これらの構成要素である「S」「V」「O」「C」が一体何なのかをきちんと学ぶことが何よりも重要であることは、私も自ら主宰する「文法講座」の根本中の根本としてとらえていることでも著者の主張と一致しているところです。
実際に、ここさえ押さえることができれば、日常生活に必要なやり取りにおける作文能力はまず問題なく対処できるようになることは私の講座でも実証済みです。
ただ、上記の「S」「V」「O」「C」という4つの構成要素の中で「V(動詞)」に関しては特別に注意が必要だというのが本書のテーマです。
著者は、この「V(動詞)」に関して、「文型上の動詞」(このことを著者は述語動詞と呼んでいる)とその他の「S」「O」「C」に「成り代わることができる動詞」(著者は準動詞と呼んでいる)に分類し、その見分け方についてこれでもかというくらいに分析解説してくれています。
少しだけその解説を紐解けば、その動詞が「述語動詞」であるためには、それが「活用」している、すなわち現在形・過去形・完了形かどうか、もしくは助動詞の後ろの原形・命令形でなければならず、それ以外の場合はすべて「準動詞」であり、不定詞(原形)・動名詞・現在分詞・過去分詞など様々な形で「S」「O」「C」に成り代わることになります。
つまり、英文が読めることとは、その中にあるすべての動詞について述語動詞か準動詞かを見分け、その文の中での準動詞の役割を適切に把握することができることと言えるのです。
本書は、様々な例文を使って詳細に解説を加えていて、その拘りぶりにひいてしまう人も出てしまうのではないかと心配しそうになるのですが、それでも諦めずに食らいついていくと、最終的に目の前がパ~っと開けていくような感覚を得ることができます。
本気で英文読解に取り組むというのはこういうことかと再確認させられる骨太な一冊になっています。