
英語丸のみ辞典 ニュース・ビジネス篇 #328
2024年10月16日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 英語丸のみ辞典 ニュース・ビジネス篇
【著者】 井上 一馬
【出版社】 麗澤大学出版会
【価格】 ¥2,800+税
【購入】 こちら
#327「英語丸のみ辞典 日常会話篇 Ⅰ・Ⅱ #327」の続編です。
ただ、あえてここで紹介していながらこういうのはどうかとは思いますが、辞書としての機能に限定していえば、前者のほうが断然役に立つはずです。
というのも、前回の紹介文の中で書いたように「英語圏で生活をしたら遭遇するであろうシーンごとに、必要な語彙とフレーズを集めたもの」が価値を最大限に発揮するのは、必要に迫られた際に「検索する」という必要性に応える場合においてであって、この「ニュース」「ビジネス」という分野においては、「日常会話篇」に比べてその必要性が生じる頻度は著しく落ちるからです。
そしてそれは、ランゲッジ・ヴィレッジが日ごろ主張している「ビジネス英会話なんて存在しない」ということに通じるのだと思います。
それは、つまりビジネスもニュースも広い意味ではしょせん生活の一部であり、それらに特有の語彙を使わなければ絶対にその意味を相手に伝えることができないというものではないからです。
このことを、本書の【金融Part3 合理化・合併】における「合併・買収(M&A)」の以下の例文で考えてみましょう。
They specialize in mergers and acquisitions.(彼らは合併・買収を専門にしている。)
なかなかビジネスマンが言いそうなフレーズですが、これなどはこの例文のように「mergers and acquisitions」という語彙を知らなければ通じさせることは不可能なのでしょうか?
いいえ、そんなことは絶対にありません。
例えば、もし私がこの語彙を知らなかったとした場合に、どうしてもビジネス上この内容を相手に伝えなければならないならば、
They specialize in buying companies.
というはずです。また、もし仮にspecializeという動詞すらも分からなかった場合にも、
They mainly work for buying companies.
でもまったく問題ないはずです。
つまり、英語でビジネスをしていく上で、「mergers and acquisitions」や「specialize」という語彙を知っているということは、知らないよりは知っていたほうが便利だけど、決して致命的なことではないということです。
一方で、英語でのビジネスにおいて致命的なのは、「合併・買収(M&A)」という言葉のコアのイメージを即座に捉えて、自分の現時点において持っている語彙の中からそれに最も近く、かつその言葉を使用したことで誤解を生じさせる可能性がないものを適宜、相手にぶつけることができないということです。
とはいえ、知らないよりも知っているほうが「便利」ですし、伝えられる内容がより「正確」になるため、上記の致命的な部分をクリアし、自信がついた方は、当然ですがそれを追加知識としてどんどん吸収していったらいったらいいでしょう。
その際には、本書「ニュース・ビジネス篇 」はきっとあなたの役に立つはずです。
本書は、この当たり前すぎる事実を、前二作とセットで体感的に確認させてくれる良書だと思います。