赤ちゃんは言葉をどう学ぶのか #227
2019年10月17日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 赤ちゃんは言葉をどう学ぶのか
【著者】 針生 悦子
【出版社】 中公新書ラクレ
【価格】 ¥820+ 税
【購入】 こちら
「赤ちゃんが英語を勉強しているところを見たことがありますか?ないですよね。彼らはただ、お母さんの言葉に耳を傾けるだけで、ほぼ100%英語を習得できるのですから、あなた方がやっているように英語を勉強することは本来やるべきことではありません。」
このように、「英語は赤ちゃんのように学ぶべき」という非常にもっともらしいキラーフレーズを使って、ただ英語のシャワーを浴びることで英語を学ぶという、「文法軽視」の学習法を推奨されることがいまだにあります。
今まで私は、我々大人は「赤ちゃんではない」のであるから、どんなに頑張っても「赤ちゃんのように学ぶ」ことができない。
だから、逆に「大人である」という特権を生かし、文法という「地図」を最大限活用しながら、論理の力で英語習得するしかないという主張をしてきました。
しかしながら、私は、このように大人は「赤ちゃんではない」とはいいながら、そもそも「赤ちゃんである」ということはどういうことなのかという根本的な命題について曖昧にしたまま、この主張をしてきたことに自ら気づきました。
本書は、まさに「赤ちゃんである」ことがどういうことかについて、詳しく書かれています。
その状態がどのくらい大変なのか、そしてどれほどの負担を赤ちゃんが乗り越えることで、ほぼ100%の確率で言語習得に成功するのかについて明らかにされています。
これによって、冒頭の私の主張により磨きがかかったように感じています。
文責:代表 秋山昌広