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だから英語は面白い #105

2015年3月25日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介

だから英語は面白い

 

 

 

 

 

 

 

 

【書籍名】  だから英語は面白い

【著者】   村松 増美

【出版社】  PHP文庫

【価格】  ¥514 + 税

【購入】    こちら

#102の「英語支配の構造」と#104の「英語支配とことばの平等」とはうって変わって、英語を学ぶことに対して非常にポジティブになれる気持ちの良い本です。

前二作では英語を学ぶということ自体が英語および英語の背景にある欧米文化に支配されるということだというような考えを前面に出していたのに対して、本書は、英語は、日本文化を背景として育った日本人としての考え方や物の見方をもって広く世界と交流するための非常に便利な道具であり、英語を学ぶという姿勢を持つこと自体、健康的で建設的な活動であるとの考えで貫かれています。

この考えは、著者の以下の言葉によって明確に表明されているように思います。

「日本人が英語を話すときにアメリカ人やイギリス人と同じように話しても効果的に通じるとは限りません。気取らずに、ゆっくり、はっきりはなすこと、そして何よりも話すべき内容を持っていることが最重要なのです。」

「世界は西洋だけではないのですから、どの国でもその国の人々と付き合う場合には、その国の文化についての知識・理解が必要です。そして、何よりも日本人は日本人としての教養と見識を持っているべきです。」

そして、この二つを受けて、

「ということは、英語を学んだ人ならだれでも理解できるような発音と語法で、相手に受け入れられるスピードで話せばいいのです。誰が英語を話しても、母国語の影響はあるのが自然です。ですから、多少日本人的なくせが残っていてもそれは決して悪いことではありません。むしろ、多少のお国訛りは聞く人にとっては魅力ですらあるのです。」

もう少しだけ引用を続けさせてください。

「国際会議なので、英語のジョークが分からないからと言って、日本人特有のニヤニヤ笑いで、相手のご機嫌を取る必要など全くありません。理解できなければ堂々と理解できないことを伝えればいいのです。そもそも、国際会議のような異なる文化の人たちとの対話の場で、自分たちの文化の中でしか通用しないようなジョークを使うこと自体が相手への配慮を欠く行為と言えます。」

まさに、その通りだと思います。

このことをしっかりと理解しながら英語と付き合うことができる国民でありさえすれば、「英語支配」の弊害を被ることはないと言えます。しかし、そうであるためには、日本人がすべきことはまず、自国の歴史や言葉を大切にするということだけでなく、自国以外の国々の歴史や言葉も同じように理解し、大切にする気持ちを持つことだと思いました。

非常に読後の気分が良くなる本だと思います。

 

文責:代表 秋山昌広

 

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