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心にとどく英語 #73

2014年8月29日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介

心にとどく英語

 

 

 

 

 

 

 

 

【書籍名】 心にとどく英語

【著者】  マーク・ピーターセン

【出版社】 岩波新書

【価格】  ¥660 + 税

【購入】    こちら

前々回の「日本人の英語」、そして前回の「続 日本人の英語」に引き続いての続編です。

前二作と同じく、英語と日本語の論理の違いによるコミュニケーションの問題を事例を交えて解説するというのが本書の趣旨です。

私は常々、究極の英語学習は英作文だと思っています。言い換えますと、英作文ができるということは、日本人として英語を活用できることなのだと思っています。

この考え方をサポートしてくれる文章を本書の中で見つけましたのでご紹介します。

「すでに出来上がっている英文を読むときは言葉自体が正確に分かっていなくても、その思惑を文脈から十分合理的に推論することができる。ところが、いざ自ら英語を作るとなると母国語と『一対一』で対応させて覚えていることが一種の足かせとなってくる」

英作文をこなすということは、この問題に直面し、それでも何とか試行錯誤することで解決を目指すことに他なりません。

外国語を学ぶにあたっては、インプットとしての時間をとることは絶対に必要なことです。その際には、どうしても「一対一」対応の学習をせざるを得ません。なぜなら、外国語学習者の自習は、母国語をベースとして学ぶことにならざるを得ないからです。

しかし、(英作文を含めた)外国語を「使うという経験」が、その「一対一」の対応が機能しないケースの存在を明らかにし、何とかして的確な表現を見つけざるを得ない状況を作ってくれます。つまり、理想的な外国語学習の方程式は、「自習」による一対一対応学習(座学)から「使うという経験」という段階を踏む学習プロセスにあるということです。

初めからインプットなしでアウトプットの環境に身を置くことは明らかに非効率的です。また、逆にインプットのみの学習での成果の出しにくさについても、日本の学校教育の歴史を振り返れば明らかです。

この本来あるべき理想的な学習プロセスをいかに実現するか。これこそが、外国語学習の究極の命題だと思っています。

 

文責:代表 秋山昌広

 

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