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英語は「そこそこ」できればいい!#48

2014年5月17日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介

【書籍名】 英語は「そこそこ」できればいい! 眠っている英語資源を掘り起こす15の方法

【著者】  齋藤 孝

【出版社】 朝日新聞出版

【価格】  ¥1300 + 税

【購入】    こちら

著者の齋藤先生は#37の「日本語力と英語力」の共著者で日本語の専門家です。ですから、英語は専門ではありませんが、その本質を突く分析力、言語に対する知見は非常に参考になります。

逆に英語の専門家でないからこそ、本質を突くことができる面も多分にあるのではないかと感じます。そんな齋藤先生が本書の中で主張していること、

それは「アウトプット」の重要性です。

日本の英語教育には、この「アウトプット」の機会がなさ過ぎるというということについては何も齋藤先生が改めて指摘するまでもなく当たり前に言われていることです。

しかし、齋藤先生の指摘の中で次のような言葉が私には非常に心象に残りました。

「アウトプットを行うことで目標(英語をそこそこ話せるようになること)と現時点の自分の状態のギャップを明らかにできるので適切なインプットの必要性も(逆説的ではあるが)同時に体感的に理解することができるようになる。」(一部加筆)

逆に言えば、何をインプットすべきかがまったく分からない中でとにかくインプットをがむしゃらに強制しているのが日本の英語教育ということになります。

アウトプットにおいても千本ノックをやってこそ、自分の打撃に何がたりないかが分かり、自主練習にもフィードバックすることができる。だからこそ、練習に費やすすべての時間を無駄にすることなく効率的に目標に近づくことができるのです。

それを5本ノックでは話になりません。これは大いに反省すべき点です。

それから、もう一点本書にて印象に残ったこと。

それは、日本人が「そこそこ英語」を「そこそこ」の範囲で極めるにあたってのお手本の例示です。

 私は以前に何度も日本人が意識すべき英語の使い手として故アラファトPLO議長を紹介していますが、齋藤先生がもう一人絶妙な使い手を紹介してくださいました。チベット仏教の最高指導者ダライラマ14世です。

齋藤先生がおっしゃるように、ダライラマの英語には決してネイティブ的な流暢さではありませんが、言いたいことをはっきり伝える。そして、意志があって、伝えるべき内容がある。そして、なによりも威厳がある。という特徴があります。

こんな英語を「そこそこ英語」といっていいかは分かりませんが、日本人がまず見習うべきはこういった英語であることは間違いありません。今後は、私もアラファト議長には申し訳ないですが、ダライラマに乗り換えようと思います。(笑)

なお、最後に。

実は10年前ランゲッジ・ヴィレッジの事業を始めたばかりのころ、私たちの取り組みがフジテレビの「特ダネ」という番組にて取り上げられた際のコメンテーターが偶然、著者の齋藤先生でした。その際、アウトプットの環境を徹底して提供することを目的にする事業だということでご評価いただいた記憶があります。

そんなご縁もあって、齋藤先生には非常に親近感を覚えました。その節は先生どうもありがとうございました。

 

文責:代表 秋山昌広

 

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