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英語教育大論争 #35

2014年5月10日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介

【書籍名】 英語教育大論争

【著者】  平泉渉・渡部昇一

【出版社】 文春文庫

【価格】  ¥437+税

【購入】    こちら

これを読まずに、日本の英語教育を語るべからずとも言える日本の英語教育史上最も有名な紙上論争を一冊にまとめたものです。

このお二人の紙上論争は昭和49年4月18日に当時自民党の参議院議員であった平泉渉氏によって自民党の政務調査会に提出された「外国語教育の現状と改革の方向」と題する思案に対して、その一年後の昭和50年に上智大学の渡部昇一教授が文芸春秋の4月号で「亡国の『英語教育改革試案』」を掲載したことによって始まりました。

今から40年近く前の論争ですが、今読み直してみてもまったく古臭さが感じられません。というよりは、最近の英語教育論争と比べても、両者の現状認識およびそれを前提とした問題提起などどれをとっても非常に充実しています。

40年も前にこれほどまでに的確な英語教育への問題認識がなされ、両方の立場(平泉:経済界および社会一般の要請からの立場 渡部:学校教育関係者および語学教育の専門家の立場)からその本質的な意見が搾り出されていたと言うわけです。

にもかかわらず、現在もこの論争と同様の議論(いや問題認識の正確性や本質的議論の徹底さの観点からはレベルは落ちているのかもしれない)が繰り返されているということを考えると、日本の英語教育界の進歩の遅さに怒りさえこみ上げてくるのは私だけではないと思います。

これだけの珠玉の遺産があるわけですから、現在の英語教育の議論はまずこの英語教育大論争を前提に立った上で、より実質的なものとすることで、最終的な解決を図らなければいけません。

 

文責:代表 秋山昌広

 

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