日本人と英語

なぜ日本は強いのか?

2015年6月28日 CATEGORY - 日本人と英語

強い日本

 

 

 

 

 

 

 

 

先日紹介した「あなたは英語で戦えますか」の中で著者の鈴木孝夫氏は、

「日本人は日本文化を野暮ったいものだとして自ら投げ捨て、西洋文化に染まりたくて染まりたくてうずうずしている。」

というような日本人の精神的態度をばっさばっさと切り捨て、日本人の行き過ぎた「自己植民地的思考」にストップをかけようとしているのですが、その中で著者が、この精神的態度について「行き過ぎなければ」それ自体は日本の強さの源泉として今まで機能してきたという面白い見方をしています。

「日本という国は東洋でありながら、同時に西洋でもある。西と東は永遠に交わらないといったあの英国の文豪R・キップリングの言葉を日本は見事に覆して、東洋でありながら西洋化に成功した。このように、相撲用語でいう二枚腰で日本は強く豊かになった。実際今の日本では食べ物、住宅、着る物、そしてあらゆる芸術の分野でも古来の伝統的なものと西洋的なものが併存している。」

このことは、著者が何度も言っているように、日本が西洋に攻め込まれ強制的に「西洋化」させられたのではなく、東洋の国である日本が自ら「西洋化」することを決断し、西洋の良いところだけを自己選択的に導入したからなし得た奇跡的なことだといえるのではないでしょうか。

現在世界的に進むグローバル化の動きは、世界の西洋化、アメリカ化です。しかし、アメリカ式の生活様式は、持続可能なものではありません。それが今まで先進国において可能だったのは、世界が少数の先進国に住む人々と大多数の発展途上国に住む人々という構造によって成り立っていたからです。

もし、このまま世界の西洋化、アメリカ化が進み、すべての地球人がアメリカ式生活様式をとる動きになれば、確実に地球は破滅することになってしまいます。

そうであるならば、日本としてとるべき道は、このままずるずる一方的な「西洋化」の道に進むのではなく、世界に向けて日本が今までやってきた東洋と西洋の融合の技術を世界に発信することではないでしょうか。

そのためには、日本人は英語を「西洋のもの」という意識で、イギリス人、アメリカ人をお手本とする英語=「イングリッシュ」としてではなく、西洋から独立した世界共通語としての世界中の人々のための日本人による「イングリック」を学ぶことで、従来の西洋の文化を受け身的に受け入れるだけの姿勢から、日本のやり方を世界に教えてあげるべく発信していくことが重要だという著者の主張が説得性を持つように感じられました。

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