日本人と英語

外国語ができるとはどういうことか

2015年8月9日 CATEGORY - 日本人と英語

外国語

 

 

 

 

 

 

前回に引き続いて、「仕事で英語が使える日本人を育てるために必要なこと」という本からの引用です。

「外国語ができるとはどういうことか」という根本的な命題についての記述がありましたので、以下にその部分を抜き出します。

「インド人の知人は、母国語のベンガル語なまりでトツトツというとぎれとぎれの話し方ですが、会話を楽しむことができます。分からない熟語などが出てくると、『それはどういう意味ですか?』と日本語で質問してきます。優しい日本語で解説をすると大抵分かります。分からない時には『分からない』と相手の言語で尋ねること。よく、『外国語をマスターしたい』という人がいますが、マスターしてから話そうなんて思わない方がいいです。これからは、日本人も恥ずかしがらずに、日本語なまりの英語で堂々と発言できるような心も一緒に教育しなければならないと思います。(一部加筆修正)」

日本においては、かなり英語ができる、例えば中学・高校の英語教師でも、『あなたは英語ができますか?』と聞かれて、「No」とは言わないまでも「Not very well」などと返す人は多いです。

私は外国語を話す、いや母国語を話すことを含め言語を話すことは「車の変速ギア」のようなものだと思っています。

冒頭のインド人のように、その言語の基本構造を理解し、最低限の語彙を有していれば、少しでも分からない語彙に接触した時に「それはどういう意味?」と質問しつづけることができます。そして、そのことによって自らの理解につながる「表現」を引き出すことができれば、それはその言語が最低限のレベルで「できる」ということだと思います。

それはつまり、車の変速ギアの一速で「できる」ということです。

そのあとは、語彙や表現のパターンを増やすことで、二速、三速とギアをあげていき、五速で巡航できるようになれば、それはよりよく「できる」ようになったということだということです。

ですから、一速でも、「できる」は「できる」のです。

逆に、一度、五速まで向上したとしても、長期間使わなければ低速に戻ることだって十分にありうるわけですが、それでも、最低限一速で「できる」のであれば、再び走り続ける(話し続ける)ことで、いずれは五速にもどることができるのです。

「外国語ができる」ことをこのようにとらえれば、非常に簡単に、英語が「できる」日本人を増やすことが可能となると思います。

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