日本人と英語

フィードバックは上司の義務

2019年2月22日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「出世する人の英語」から、テーマをいただいて書いてきましたが、いよいよ今回が最終回です。

第五回のテーマは「上司の部下に対するフィードバック」についてです。

日本では、上司と部下の関係において、手取り足取りアドバイスして育てるという習慣はそうそうないような気がします。

大抵の上司は直接的に具体的なアドバイスをするというよりは、「空気読めよ」感を出して、それを的確に受け取った部下を「優秀」、それを受け取ることができない部下を「無能」と非公式に評価することが一般的ではないでしょうか。

そして、上司は自らの背中を見せることで「優秀」な人を自然と成長させる一方で、「無能」と評価した部下を永久に「無能」として扱うか、もしくは失う(部下がイヤになってやめてしまう)ことになります。

これは、特に職人の世界で一般的で、直接的なアドバイスをすることを「野暮」と捉え、いくら時間がかかったとしても上司の背中を見ることから仕事のエッセンスを受け取るとることで習得できる「職人技」を重視してきました。

日本ではアメリカに比べて、ビジネスマンの世界にもこの職人気質が、いまだに色濃く残っているようです。

問題は、この方式では如何せん時間がかかるということです。

現在のビジネスの世界、特にグローバル化が進展したビジネスの世界では「スピード」が非常に重視され、「職人技」を求めてスピードを犠牲にするという選択肢はとることは許されなくなっています。

なぜならば、めまぐるしく変化するビジネスの世界では、一つの「職人技」が競争力を持つ「賞味期限」が非常に短くなっているからです。

一つの「技」をじっくり磨き上げるのではなく、変化の速い世の中に対応できる「技」を次々に作り出す必要があるのです。

それを実現するためには、上司が部下を「論理的に導く」姿勢を持たなければなりません。

それができない上司は、それこそ「無能」であるということになります。

ですから、上司が部下に対して「フィードバック」することは、上司の義務であるととらえるべきなのです。

また、著者によればこれは上司の義務であるのと同時に、それを受け取る部下もそのフィードバックに対して真摯に向き合う意識が必要だということです。

上司からのフィードバックを軽く流すことなく、改善を求められたポイントに対してはきちんと対応する習慣を身に付けることが部下の義務であるというわけです。

この上司と部下のお互いのフィードバックに対する認識がそろってこそ、グローバル社会で結果を残すことができるということのようです。

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