日本人と英語

可算名詞か不可算名詞かは「物の見方」次第

2019年8月23日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英文法の新常識」よりテーマをいただいて、書いて行きたいと思いますが、第一回目のテーマは「可算名詞と不可算名詞の考え方」についてです。

私は、自らが主宰する「中学三年分の英文法を血肉にする講座」において、可算名詞と不可算名詞の区別について、次のように説明することにしています。

「その名詞をナタのようなもので、パカーンと二つに割ったとして、その二つに分かれたものが、もともとの物と同じ性質を持っているならば、『不可算』、壊れてしまってもはやその性質を維持していないなら『可算』です。」

これで、ほぼすべての名詞について、それが「可算名詞」か「不可算名詞」か覚えることなく自分で判断ができるようになります。

ただ、その際、例えば「パン」という名詞について取り上げ、英語では「bread」は「不可算」名詞ですが、それは英語圏の人たちは、いわゆる「ローフのままの食パン」のようなものを想像しているからだと説明しています。

ローフを薄く切っていわゆる「日本人の考える食パン」の形にすれば、それらの「食パン」の性質を維持させながら、いくらでも小さくすることができるというわけです。

つまり、日本人はパンを「ローフを薄く切った食パン」としてイメージしているのに対して、英語圏の人は「ローフのままの食パン」をイメージしているということです。

ですから、「アンパン」などの加工パンをイメージして話す場合には、それは「bread」という「不可算名詞」ではなく、英語圏に「アンパン」という商品がなければ、「(an) anpan」という「可算名詞」を作るべきかもしれません。(笑)

授業の中では、このような説明で受講者さんの理解を促していますが、本書の中にこのことを非常に端的に、分かりやすく表現している部分がありましたので、そちらを引用して終わりにします。

「その名詞を数えられる名詞として使うのか、数えられない名詞として使うのかは、英語話者の論理です。英語では、『information』や『advice』はどちらも数えられない名詞です。でも、ドイツ語では、『Information』は数えられる名詞で、『Informationen』のような複数形があります。モノの見方は一つではないのです。」

 

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