日本人と英語

意地悪な生徒のススメ

2019年4月26日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語に強くなる本」からいくつかテーマをいただいて書いていますが、第五回目のテーマは、「納得するまで動かない」ことの重要性についてです。

私は、「中学三年分の英文法を血肉にする講座」として2泊3日コースもしくは5泊6日コースで英文法を理解するだけでなく、会話につなげるまでに習熟させることを可能にする講座を運営しています。

その戦績として、2泊コースとしては約75%~80%の確率で、5泊コースとしてはほぼ100%の確率で目標に達するという成功率を実現しています。

なぜ、私がこのような内容の講座を作ることができたのか、その理由は明確です。それは、私が素直じゃない、ひねくれた中高生時代をおくったからです。

私は、英文法に限らずすべての教科の内容について、一つ一つ理屈を伴って教えてくれないとどうしても頭に入れることができませんでした。

そのため、担当の先生に対しては当たり前のようにその理屈を問いただしましたし、その回答に納得できないときは寮に帰って寮の先生をつかまえて納得するまで一緒に悩んでもらいました。

そして、このとき正攻法で理屈を明らかにできなかったものについては、何とかして自分自身が納得できるような屁理屈を編み出すまで粘ったのです。

とかく、受験には「理屈を考える時間があったら、一つでも多く覚えてしまえ。」といわれるような指導が行われがちなのに、ここまで付き合ってくださった当時の先生方に心から感謝しています。

その時に明らかにした理屈、それが見つからなかった場合には自分自身が納得できるように編み出した屁理屈、これらが今の「中学三年分の英文法を血肉にする講座」につながっています。(もちろん、その後いろいろな文献にあたるなどして、極力屁理屈を理屈化する努力はしています。)

このようにして生み出した「すべての英文法に理屈を付ける」方式をとったからこそ、英語をほぼ諦めてしまった方々にそのような短期間で目標に達していただけているのだと思っています。

納得するまで記憶しない(できない)という一見遠回りのように見える方式が実は最も効果的なものであるということを本書では1961年当時すでに明確に指摘していたということが分かりました。

その部分を以下に引用します。

「有名な英文学者で評論家の中野好夫氏の旧制高校時代の話です。氏が入学したとき、『できない』先生がいたのだそうです。そこで、もともと論争好きな中野氏は、大変なことを考え出しました。『よし、この教師をいじめてやれ』ところが、いくらできないといっても、相手はとにかく英語の先生です。そう簡単に参らせることができるものでもありません。そこで市は、丹念に辞書を引き、発音、文法、語法、あらゆる角度からテキストを細かく読み、内容を研究して教場に出たそうです。そして、じっと教師の講義を聞いていて、賛成できない点があると、質問!と、突っ込んだのだそうです。さて、こんなふうな方法で二年間勉強した氏はある日、英語ができるようになっている自分自身を発見し、ここに英文学科へ進む決心がついたのだそうです。」

本書にはことごとく、私独自だと思っていたものを覆されてしまっていますが、しかしそれはそれでなんとも気持ちがいいものです。

 

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