日本人と英語

AI翻訳は語学のファストフード

2019年2月6日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにて紹介した「英語の多動力」よりテーマをいただいて書いていますが、第三回目の今回が最終回です。

今回のテーマは「AI翻訳時代のAIの付き合い方」についてです。

書籍紹介ブログの中で書きましたが、本書で堀江氏は「AI翻訳が発展したとしても、日本人は英語を身に付けるべきだ。」とはっきりと述べられています。

私も別の記事の中で何度も、AI翻訳時代にも、ランゲッジ・ヴィレッジのような「英語を使う環境」に身を置いて実際に生のやり取りを豊富に提供する施設の価値は、むしろ今よりも高くなるはずだという考えを書いています。

堀江氏は、本書においてその理由を「『直に生身の人間同士でコミュニケーションをとりたい』という人間本来の欲求はAI翻訳の時代になってもなくなることはないから」と論理的に説明していることを取り上げました。

もう一つ、本書の中にその理由をもう少し体感的に理解できる説明を見つけたのでその部分を引用します。

「元サッカー日本代表トルシエ監督の通訳として活躍したフローラン・ダバティさんは、実に7か国語も操るスポーツ・ジャーナリストだ。彼は外国語学習をテーマに質問された際、こんな風に答えている。『機械翻訳は語学のファスト・フード』だ。語学を学ぶことは、世界に心を開く第一歩。言語を学ぶ努力を日本人が諦めたら、海外への道は開かれず、鎖国になってしまうと。」

私は、ランゲッジ・ヴィレッジの語学教育施設としての価値がAI時代にこそより輝くはずだという自らの信念をいかに上手に世の中に伝えるために有益な情報を得ようとアンテナを張っていますが、このフローラン・ダバティさんの「機械翻訳は語学のファスト・フード」というフレーズは群を抜いて有益だと感じました。

誰もがまったく英語を学習せずとも自分の日本語を英語に直してくれるテクノロジーが一般化した世の中で、実際に英語を使う人々の言語の仕組みを理解した上でやり取りができるということの価値を、非常に体感的に理解させてくれるフレーズだと思ったからです。

人間はファストフードだけで当面は生きられます。

しかし、ファストフードだけで一生を健康的に、そして文化的に送ることはできません。

人間の生命をとりあえず維持することができるだけの栄養を安価に手っ取り早く摂取できるファストフードばかりの世の中における、しっかりと手の込んだ「家庭の味」の存在を想像してみれば、その価値を容易に想像することができます。

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