日本人と英語

will と be going to の違い

2016年8月21日 CATEGORY - 日本人と英語

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前回は、書籍紹介ブログにて紹介した「日本人の英語はなぜ間違うのか?」という本から、著者の日本の学校英語教育における「許せない」ことについてご紹介しました。

今回は、本書の中で、日本人が気になるけど、本当のところなかなか理解できない文法の「謎」について、著者が本当に分かりやすく説明してくれている部分を見つけましたのでご紹介します。

それが、「will と be going to の違い」です。

「will には、名詞として『意志』という意味があるので、「意志未来」、be going toにはその意志がないので「単純未来」と単純に覚えてしまっている方も少なくないですが、実際には「will と be going to の違い」については、私が最も信頼性と分かりやすさのバランスが良いと感じている文法書「ロイヤル英文法」を紐解いてみると、そう単純な説明にはなっていないのが事実です。

例えば、be going to にも「前もって考えられていた意図」を表す場合があり、それも「意志未来」に分類されています。

また一方で、「will」にも意志には無関係の「単純未来」の用法があり、その分類の中での「be going to」と「will」の違いが、前者の方が後者に比べて「近接の未来」を表現するという解説があります。

本書の中で、この「意志未来」についてもう少し突っ込んだ議論がなされていましたので、以下に該当部分を引用します。

「will は、『~しようと思う』と今この時点で決めたことに使用し、be going to は『~する予定です』と前もって決めていることに使用する。(中略)だから、飛行機の到着予定時刻を言うときには、will と be going to のいずれの出番もないのです。というのも、実際問題として予定時刻表の通りぴったり着くような国際便などめったになく、到着予定時刻はあくまでも、現時点で予想されている時刻なのですから、正確には、We are scheduled to arrive at 9:00 というような言い方になります。」

これなどは、英語のネイティブスピーカーであって、なおかつ日本語や日本人の論理構造にも造詣の深い人間でないとこのような的確な指摘はできないことだと思います。

早速、この点を「二泊三日で中学三年分の英文法を血肉にする合宿」の内容に反映させたいと思います。

そして、今回本記事を書くために久しぶりに「ロイヤル英文法」を開いてみたのですが、なんと本書の著者マーク・ピーターセン氏は、この名著の英文校閲者にも名を連ねているではありませんか!

改めて、彼が英語のネイティブスピーカーとして本当の意味での英語と日本語の橋渡しのできる数少ない人材であると認識した次第です。

 

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