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ほぼ日刊イトイ新聞

2017年7月21日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

前回のお約束通り、糸井重里氏がインターネット的な世界を体現しようとして誕生させた「ほぼ日刊イトイ新聞」について書いてみようと思います。

そのために必要な知識を得るのにぴったりな本であろう「ほぼ日刊イトイ新聞の本」を読みましたので、本書を参考に書いていきます。

糸井重里氏は1970年代から1990年代にかけて、その時代の特徴を「言葉」にしてきたコピーライターで、その時代の雰囲気を世の中に再認識させる「時代づくりの名人」とも言える人でした。

つまり「流行っている人」でした。

しかし、1990年の後半から2000年にかけて、その糸井氏自身が「流行らなくなってきた」と自己認識するようになり、かと言って無理に世の中に自分を合わせることもしたくないという中で、次に自分がやりたいことは何なのかについて悶々と考える日々をおくっていたそうです。

そんな中で彼は以下のように「インターネット」に出合い、衝撃を受けたのでした。

「『サッカー日本代表を応援するホームページ』というサイトが、日本で見たり聞いたりするテレビや新聞などには載らない極秘情報を提供していた。具体的には、たまたまその情報の出どころに近いところに住んでいる素人のサッカーファンによって誰も知らない情報の投稿がなされるといった具合に。サッカーに熱い思いを持つファンが同じ熱狂的なファンに役立つための情報を何の見返りも考えずに提供しているのだ。人間は経済行為だけで動くものではない、損得だけで動くものではない。身銭を切ってでも何かをしなければいけない、何かをしたいというものをみんな持っているんだな、という子供のころに信じていたことがありありと再現されていた。驚きもしたが、何より気持ちがよかった。」

これは、インターネットによって情報を発信する者と受け取るものが直につながることを可能にし、さらにそうした多くの人と循環的につながることができるようになったということを意味しています。

このことは、時間や空間を超越してアイデアや情報、人の思いを無限に広げることができるということです。

そこから、糸井氏の中で新しい仕事のイメージがじわじわと形作られ、最終的に「ほぼ日刊イトイ新聞」につながっていくのです。

コンセプトは「世間でもっと高く評価されてもいいのに、なぜか実力以下に見られているものを発掘する」です。

その評価というのはいわゆる「流行の波に乗っている」ということですが、みんなの欲しがる物を追いかけて苦労して捕まえたとしても、その物と「どういう関係」を築いていいか分からないものです。

逆に言えば、本当に価値のあるものであってなおかつ、それを自分が欲しいという状態を作ることができれば、その人はその物と「いい関係」を築いたということになります。

その「いい関係」作りこそが、糸井氏が次にやりたいことだったということです。

「世間でもっと高く評価されてもいいのに、なぜか実力以下に見られているもの」を細かく丁寧に発信できるサイトを作ったら、その「いい関係」作りにつながり、結果的に「めちゃくちゃ気持ちよくなるはずだ」というのが糸井氏の「ほぼ日刊イトイ新聞」を作った動機でした。

やはり、「めちゃくちゃ気持ちいい」といえる仕事によって、世の中も「気持ちよく」していくことが最高の人生といえるのでしょう。

「こんな人に私はなりたい」と思える人をまた一人発見できました。

 

 

 

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