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バカの壁

2017年7月7日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先日書籍紹介ブログにてご紹介した「『グローバル人材育成』の英語教育を問う」の中で、英語教育界の4人の侍のうちの鳥飼先生と斎藤先生のお二人と解剖学者の養老孟司先生との対談が載っており、「英語教育におけるバカの壁」というテーマにて議論されていました。

ここで、私も養老先生の大ベストセラー「バカの壁」を不覚にも読んでいなかったことに気づき、慌てて読んでみました。

養老先生がおっしゃる「バカの壁」とは、直接的に定義を書かれている部分はなかったのですが、様々な説明を要約すると次のようになると思われます。

「物事に対する本当の理解を諦めること」

および、各人が個別に理解をしたとしてもその方向性や程度が人それぞれ異なるため、

「お互いがそれを共有することができないこと」

このことについて、養老先生は非常に分かりやすい例を挙げて説明してくれていました。

脳へ入力とは情報が脳に入ってくることで、出力とはその情報に対しての反応ということになりますが、入力は五感で行われ、出力は意識的に行われます。

では、五感によって入力し、意識的に出力する間、脳は何をしているのかということを、次の一次方程式で説明することができます。

入力を x、出力を yとするので y=ax となります。

何らかの入力情報 x に、脳の中で a という係数をかけて出てきた結果、反応が y ということです。

そして、係数 a は、プラス、マイナス、そしてゼロの場合があります。

プラスのケースは、入力された情報に対して、何らかの積極的な反応を示す場合で、マイナスは反対に反発を示す場合、そしてゼロは反応なし、すなわち無関心だということです。

つまり、 a という係数は人によって、先天的後天的にも変わってくるものであるため、人間同士が理解しあうというのは根本的には不可能であるといえるし、そのため人はとかく理解できない相手を互いにバカだと思うということのようです。

今回は、「『グローバル人材育成』の英語教育を問う」の中で、日本の英語教育が迷走を繰り返している理由として「英語教育におけるバカの壁」が取り上げられましたが、英語教育界の4人の侍が手を変え品を変え理路整然と本来あるべき日本人の英語教育について説明をしているにもかかわらず、一向にいい方向に方向転換されないという理由が少しだけわかったような気がしました。

とはいえ、この「バカの壁」の存在を理解したうえで、それでも果敢にいい方向に方向転換されることを目指してより説得力のある説明を続けていただけることを願っています。

 

 

 

 

 

 

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