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中小企業にこそ経営戦略を

2015年7月8日 CATEGORY - 代表ブログ

道端の経営学

 

 

 

 

 

 

 

皆さん、こんにちは。

中小企業の経営に対して非常に貴重な示唆を与えてくれる良著を読みました。

道端の経営学」という本です。

本書は三人のアメリカの有名ビジネススクールの先生がアメリカ国内を旅行しながら特徴ある中小企業の経営者にインタビューをして回りながら中小企業に的を絞った経営戦略論について書き上げたというストーリ仕立ての本です。

経営戦略論というと、大企業のためのものという一般的なイメージを吹き飛ばすために書かれたようなインパクトのある本です。

というよりかは本書を読むと、経営戦略というものが中小企業にこそ不可欠なのだという逆説的な説得をうけるような気がしてくるほどです。なぜか、それは大企業はその豊富な経営資源により全方位的な戦い方ができるのに対して、中小企業はそれが限定されているため、特定の戦略に絞って鋭く実行することが本来的に定められているのだということを、豊富な事例によって次々に明らかにされる内容になっているからです。

経営戦略を選択的に実行すること、つまり限られた資源を最も効率的効果的に活用するために、明確な意図をもって数少ない「やるべきこと」と数多くの「やるべきでないこと」を選別し、その結果選択した数少ない「やるべきこと」に関してはどんな大企業も対応できない高いレベルで実行することが中小企業が生き残るためにとりうる唯一の方法だということです。

数多くの事例を軽快な文章でテンポよく紹介していくので、どんどん引き込まれていく非常に面白い一冊です。

ただし、本書を読んでいて最後まで晴れなかった疑問があります。

それは、このような鋭い戦略で成功をおさめた中小企業が成長した結果、大企業となった時その企業は鋭さを失うことが必然であるのかという疑問です。

現実の問題として、今後のアップルに鋭さを求め続けることができるのか、という命題です。

是非、この三人の先生方にはこの命題に答えを出すべく、再び旅に出ていただきたいと思います。

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