代表ブログ

「ジャニーズ」と「ジョニーズ」に見る英語の発音の難しさ

2019年7月11日 CATEGORY - 代表ブログ

John Hiromu Kitagawa

これは、先日(2019年7月9日)亡くなられた日本のショービジネスのパイオニアであるジャニーズ事務所社長のジャニー・喜多川氏の本名なのですが、これについて私はいつも疑問に思うことがありました。

それは、ジャニーズ事務所に個人的には全く興味を持っていなかった私だからこそいだく疑問なのかもしれませんが、ジャニーさんの死去以来頻繁に映し出されるジャニーズ事務所のビルにかかれた英語の会社名「Johnny & associates」やジャニーさんのお名前の英語表記「Johnny」をなぜ「ジョニーズ事務所」「ジョニー」といわずに、「ジャニーズ事務所」「ジャニー」というのかという疑問です。

つまりは、その英語表記と日本語表記のギャップからくる違和感という、ジャニーズファンにとってはどうでもいい疑問です。(笑)

このことが気になって仕方がなかった私は、当然のことのようにググってみたのですが、適当な記事が見つかりませんでしたので、自分で書いてみようと思った次第です。

これは、「Johnny 」の発音「dʒɑ́ni」の「ɑ」の発音をどうしても「o」としてしまう一般的な日本人に対するジャニーさん本人の「主張」ではないかなと推測します。

私は、自らが主宰する「中学三年分の英文法を血肉にする講座」の中に、20分程度で英語の発音記号を「ほぼ」完璧にする授業というのを入れ込んでいます。

皆さん驚かれるのですが、本当にたった20分で英語の発音記号を「ほぼ」完璧にすることができるのです。

その理由が、ここに「ほぼ」としていることにも関係するのですが、(発音の臨界期を過ぎた12歳を超えた時点から英語を「勉強」として学び始めた)日本人が物理的に「できる発音」と「できない発音」をきっちり分けることで、どうせ「できない」発音を諦め、「できる」発音の理解と習得に集中することです。

英語は日本語よりは発音の種類が多いですが、中国語と比べると圧倒的に少ないので、文法を学び文脈さえ作ることができれば、多少発音に難があっても十分理解してもらうことができる言語です。

だからこそ私のこのような指導が可能となります。(というか、どうしても完全な意味での「完璧」は無理なのでこれが唯一有効な指導となるのですが)

そして、「できない発音」として諦めるべしとするものの代表例が、日本人が「あ」に近い音として認識している「ɑ」「æ」「 ə」「 ʌ  」です。

これらは、それぞれ少しずつ「あ」とは違った特有の音でして、もちろん授業の中ではそれぞれの発音の仕方をお教えします。

そして、十分注意すれば一度は発音することができます。

しかし、それをそれぞれの単語の中にある「あ」のような音のどれがそれにあたるのかをすべて記憶し、言い分けることなどできるわけがないのです。

ちなみに、「ɑ」は「まず、口を上下縦長に開けます。そしてそのまま『お』の音を出そうとします。すると、『お』の音とは少し違った『あ』と『お』の中間のような音が出るはずです。これが [ɑ] の発音です。」という具合です。

これ単体で発音することはできますが、一つ一つの単語の中のどれが「ɑ」なのかを把握することを含め、言い分けすることなどできるわけないですよね。

(英語の発音に興味のある方は「フォニックスってなんですか?」もご参照ください。)

結局、日本人は「o」として「ジョニー」としてしまうしかないのです。

ですが、ジャニーさんとしては、日本人の発する「あ」と「お」では、まだ「あ」の方が近いという感覚にこだわった結果なのではないかと私は推測するわけです。

ご本人が亡くなられてしまったので、本当のところは分かりませんが、天国のジャニーさんに「You、違うよ。」と叱られないか心配しながら書いてみました。

 

◆この記事をチェックした方はこれらの記事もチェックしています◆