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Googleには見えている未来とは

2014年4月30日 CATEGORY - 代表ブログ

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皆さん、こんにちは。

本日紹介します本はGoogleの会長エリック・シュミット氏の「第五の権力」です。

このタイトル「第五の権力」とは、中学で習う三権分立の三つの権力、すなわち「立法」「行政」「司法」とその三つに追加して第四の権力として言われて久しい「報道」に加え、新たに五つ目の権力として認識をされ始めた「インターネット」のことです。

この第五の権力であるインターネットがその他四つの権力と大きく違う点は、四つの権力は国家、民間組織の違いはあっても、ある特定の組織なり機構に集中しているのに対して、インターネットは点と点の連携、本の中では「コネクティビティ」と表現されていますが、連携それ自体に宿る力という点です。

別の見方をすれば、第四の権力までは特定の人間が何かしらの意図をもってすれば、その方向に動くことになりますが、第五の権力は無数の個のネットワークという性質上、その意図を最後までコントロールすることが非常に難しいという本来的な性質を持っているということです。

このことから、もしかすると人類は初めて純粋に「フェア」な権力を手にしたのかもしれません。

しかし、この本の中で著者は、人類が初めて手にしたその素晴らしい資産と引き換えに、「プライバシー」という大切なものを手放さなければならないというマイナス面も厳然と存在すると指摘されています。

逆に言えば、テクノロジーの進展は、その直接の目的である利便性の向上というプラス面と、同時にマイナス面をもたらしたと考えるべきかもしれません。

私としては、全編において前者のプラスの印象よりも後者のマイナスの印象のほうがなぜか強烈に感じられてしまいました。

その理由が何なのかを真剣に考えてみたのですが、それは実はこれを書いているのがグーグルの会長であるという事実かもしれないということに気づきました。

グーグルは今やインターネットそのものと言っていいかもしれません。グーグルの検索に引っかからないウェブサイトはもはやインターネット上に存在していないことと同じだからです。

このグーグルの検索という技術が生み出す仮想世界で「コネクティビリティ」が作り出されています。そして、それが人類が初めて手にした純粋に「フェア」な権力というわけです。

著者は、「ありとあらゆる個人の情報が技術を提供する企業に収集され保持されることになるため、プライバシー保護のカギは、セキュリティー技術の向上にある。」といっています。しかし、よく考えてみると著者が第三者的な口調で言っている「技術を提供する企業」とはほかでもない自らが会長をつとめるグーグルそのものなのです。

先ほど、第五の権力インターネットと他の四つの権力との大きな違いを、「無数の個のネットワークか、特定の組織なり機構への集中か」という指摘をしました。

ですが、三権も国家の数だけあります。報道も日本だけでもいくつものマスコミが存在します。しかし、グーグルは、仮想世界=グーグル経済圏を一社で作り出していると考えることもできるのです。

今のところグーグルはその非公式なミッションステートメント「邪悪になるな」(Do not be evil.)によってその「フェア」さの根幹を揺るがすような事件は起こっていないように見えます。しかし、それは所詮一企業のルール、それも「非公式な」ルールに過ぎないわけです。

人類が初めて手にした純粋に「フェア」な権力をゆだねるには何とも頼りないと思わざるを得ません。

とはいえ、今日もgoogle mapで出張先の情報をゲットし、Gmailで打ち合わせの段取りのやり取りを「無料」でさせていただくことを当たり前のこととしている私としては残念ながら、有効な対応策など見つけるべくもありません、、、

 

 

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