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外国人から見る日本人のグローバリズム力

2013年1月9日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さんこんにちは。

先日、私が所属するまちづくりボランティア団体にて、「にしゃんた氏講演会」を開催しました。

にしゃんた氏は以下のような面白い経歴を持った方です。

(1969年7月18日 – )は、経済学博士、大学准教授(羽衣国際大学)、落語家、タレント、京都府名誉友好大使、NPO法人多民族共生人権教育センター理事、講演講師。スリランカのキャンディー市で生まれる。2005年10月5日に日本国籍を取得した。自身を平仮名で「にしゃんた」と表現する。

最近では、テレビのバラエティー番組でも多く活躍されていますのでご存知の方も多いと思います。

とにかくびっくりさせられるのは、彼の日本語の能力です。

本当に「しなやか」な日本語をはなされます。

また、単純に「しなやか」であるだけでなく、経済学博士であることからも日本語を背景とした知識も日本人以上に持ってらっしゃるため、目を閉じていると日本人の知識人の講演会を聞いているのではないかと錯覚するほどです。

また、それでいて、落語家の肩書きももっておられるため、ユーモアが頻繁に織り込まれており、爆笑の絶えない素晴らしい講演会となりました。

SEACTテストの日本語版があったら、当然、第二段階のネイティヴによる評価でも最高点を取るだろうなというところです。

ちなみに、SEACTテストの第二段階の満点、すなわち総合点100点とは、「ネイティブの大学の教養課程を修了した人間の平均」としているので、にしゃんた氏に言わせれば、「当たり前やん」と言われるかもしれません。

彼の講演会の中で一番印象に残った言葉は、「日本人は実は世界で最も異質なものを同化させることに長けた人々である」というものでした。

私を含め、多くの日本人は自分たち自身のことを異質を受け入れがたい人々であると自己診断していると思います。

江戸時代の「鎖国」も一つの証拠でしょうし、今でも街で外国人を見ると「あっ、外国人だ」とどうしても意識してしまうというのもそうだと思います。

しかし、彼は日本人ほど「良い」と思ったらなんでも自分の文化に取り入れてしまう懐の深い民族はいないということをとても面白い例を証拠として上げてくれました。

「七福神」です。

私たちの多くは、これを日本の文化だと認識しています。

しかし、彼らのプロフィールはそれぞれ以下のようになります。

■恵比寿
古くは「大漁追福」の漁業の神である。時代と共に福の神として「商売繁盛」や「五穀豊穣」をもたらす、商業や農業の神となった。唯一日本由来の神様。

■大黒天
インドのヒンドゥー教のシヴァ神の化身マハーカーラ神。日本古来の大国主命の習合。大黒柱と現されるように食物・財福を司る神となった。

■毘沙門天
元はインドのヒンドゥー教のクベーラ神。仏教に取り入れられ日本では毘沙門天(ヴァイシュラヴァナ)と呼ばれる。

■弁才天 (弁財天)
七福神の中の紅一点で元はインドのヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティー神。七福神の一柱としては「弁財天」と表記されることが多い。

■福禄寿
道教の宋の道士天南星、または、道教の神で南極星の化身の南極老人。寿老人と同一神ともされる。

■寿老人
道教の神で南極星の化身の南極老人。

■布袋
唐の末期の明州(現在の中国浙江省寧波市)に実在したといわれる仏教の僧。

すなわち、「七福神」は、日本人メンバーは唯一恵比寿さんのみで、あとは中国人3人、インド人3人のグローバルチームなのです。

このように、日本人は、それぞれ違う国、違う宗教出身の「神様」を自分の文化圏へと引き込んで、あたかもそもそも日本オリジナルのものと思い込んでしまう「同化力」が半端ではない人たちだということです。

私はこの話を聞いて、なるほどなと思うとともに、にしゃんた氏自らが、この日本において八番目の福神になろうとしているのではないかとつくづく思ってしまいました。

非常に、刺激を受ける講演会にすることができました。

にしゃんた先生、本当にありがとうございました。

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