代表ブログ

社長って何だ!

2020年1月19日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

1兆ドルコーチ」、「おかしな日本の企業統治」、そして「ジャニーズは努力が9割」と三冊立て続けに企業経営者に関わる記事を書いてきました。

そこで、このシリーズの最後に以前にご紹介した「死ぬほど読書」という元伊藤忠商事社長でまた元中国大使の丹羽宇一郎氏の著書をご紹介したいと思います。

それは、ズバリ「社長って何だ!」です。

本書は、この経営者シリーズを締めくくるにふさわしい、本当に素晴らしい一冊でした。

実際に読んでみると、まず社長になるために必要な要素を非常に端的に、そして不足なく書かれているという印象を持ちました。

そして、その印象的な部分の多くが、非常に短くまとめられた「言葉」です。その言葉は、著者本人がまとめたものもあれば、先人の言葉であったりもするのですが、それぞれが非常に「過不足なく」まとめられているため、なんというか言葉の強さがひしひしと伝わってきます。

特に印象的な「言葉」をいくつか引用したいと思います。

「まず、どこを責めるかを決めてから守る」

つまり「ここに投資したい」という「攻め」の対象を決めて、それから資産を売るという「守り」に入ること。そのことによって、その資産の値引きの限度額が見えてくるということ。

「リスクを最小限に抑えるため、社長はいつも周りとは反対のことも考えなければならない。」

相場の世界のシンプルな原理である「上がった株は必ず下がり、下がった株は必ず上がる」、つまり、上がる動きの中にはすでに下がる動きが含まれ、下がる動きは上がる動きを含んでいるということを念頭に置かなければならないということ。

「ペンは剣よりも強し、されどパンはペンよりも強し」

人類は動物としての時代の方が人間としての時代よりもずっと長いため、その動物としての欲求を抑えることは並大抵のことではないということ。(これは以前に紹介した死ぬほど読書でも同じことを言っています。

「勇気は行き過ぎた勇気である『無謀』と、勇気の不足である『臆病』の中間の状態にあるときはじめて得として成立する。」

これは、ご本人の言葉ではなく、アリストテレスが若き日のアレキサンダー大王に対して伝えた言葉だそうです。そして、その中間の状態の選択を裏付けるのは、徹底した現場からの正しい情報だということです。

「今、自分ができる精一杯のことをやれ。今日は疲れたからここでやめる、と思えばやめろ。疲れたけど自分はやりたい、やったほうがいいと思うのならやれ。もうちょっとやればよかった、というのは許さない。自分はこれだけやった、これで負けてもしょうがない、これが自分の力だ、そう思えるまでやれ。それがベストを尽くすということだ」

これも、ご本人の言葉ではなく、京大のアメフト部の監督だった水野弥一さんの言葉だそうです。ベストジャッジを毎日すると、いざ戦いになった時、負けても勝っても悔いが残りません。それこそが自分の実力だからです。

社長として判断を下す時、ベストジャッジかどうかは結果が成功か失敗かで決まるものではなく、その判断が、その時に自分が信じたことかどうか。自分がこの選択が最も正しいと信じたことが、ベストジャッジなのだということです。

人間には能力の差が当然にあるので、どんな人でも勝ち続けることはできません。そうなると、負けた時にその負けを自分の中でどう処理するのかが、実質的な課題となるわけで、この言葉は私の中では本書の中でも最大にヒットしました。

やはり、人を動かす言葉は、現場での実績を伴わなければ、絞り出されないものなのだなと思いますし、そのような実績を伴う方は、そのような言葉に対するセンサーもよく働くということがよく分かりました。

 

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