日本人と英語

リスニング力をつけるためには

2018年2月4日 CATEGORY - 日本人と英語

前々回、前回に引き続き、「英語はメンタルで決まる」から、トピックをピックアップしてみたいと思いますが、今回のトピックは、「効果的なリスニング」についてです。

まず、著者は、リスニングのトレーニングについて昨今はやりの「聞き流す」教材について、

「甘い夢を砕くようで申し訳ないのですが、はっきり言ってこのような軌跡は起こりません。」

ときっぱりと仰っています。

私も実は、以前の記事 にてこの「聞き流す」英会話教材についての見解を述べています。もちろん、問題の性質上、著者のようにここまではっきりとこの教材を否定するようなことは申し上げませんでしたが、この教材の活用の仕方については十分注意する必要があると指摘しました。

著者はこのようにある意味完全否定のような形で表現されていますが、実際には私の指摘した「活用の仕方」の論点を全く同じようについてらっしゃるのだと思います。

それは、「リスニング力をつけるためには、意味の分かることを聞く必要がある。」という大原則です。

私は、その記事の中で以下のように書きました。

「(聞き流すだけの英語教材で)一定の効果が生じるのは、話すことはできないけれども、日本の英語教育を比較的真剣に受けており、中学校三年分の文法と語彙はなんとなく分かっているというタイプの方が、ある程度まとまった時間「聞き流す」という場合です。」

一方、著者は本書において次のように述べられています。

「意味の分かることを聞かなければ何度聞いても無意味です。音声に慣れることと音声を理解していることは全く異なります。シャワーを浴びるように英語の歌を聞き流すことで英語の発音やリズムに慣れることはできます。しかし、歌詞を一字一句正確に再現しようとしたら歌詞カードと辞書に首っ引きで中身を理解していくという作業があってはじめてできることです。英語学習におけるリスニングも同じです。英語を聞き流していれば、小学校低学年の子供がマネするようなことはできるでしょうが、分からないことを何百回聞き流しても聞いた内容を理解するのは永遠に不可能です。」

この「小学校低学年の子供がマネするようなこと」を私は「九官鳥英語」と言っていますが、これでは応用力が全く聞きません。ありとあらゆる表現の組み合わせをこの方式でやれば、英語ができるようになるかもしれませんが、それは現実には不可能だからです。

そのために私は、この教材の使用で効果ができるであろう人の前提を「中学校三年分の文法と語彙はなんとなく分かっているというタイプ」としましたし、著者は聞き流すだけではなく、「辞書に首っ引きで中身を理解していくという作業があってはじめてできること」と言っているわけです。

ですが、現実的には、このような教材の「聞き流すだけ」というキャッチに反応してしまう人の多くが、これらの能力がない、もしくは辞書に首っ引きで対応したくない人がほとんどということになるはずです。

そのため、この問題の本質は、「聞き流す」英会話教材の「品質」にあるではなく、その甘い言葉に反応してしまう学習者の姿勢にあるということなのだと思います。

書籍紹介ブログの記事においての書きましたが、このように、あくまでも本質を見抜き正攻法を外さない先生に出会えた生徒は本当に幸せだと思います。