なぜ企業英語研修は失敗するのか
2017年12月31日 CATEGORY - 日本人と英語
前回に引き続き、「企業・大学はグローバル人材をどう育てるか」からテーマをいただいて書いていこうと思います。
第二回目の今回は、「企業英語研修」についてです。
ランゲッジ・ヴィレッジの国内留学を研修に採用していただいている企業には、以前に別の学校の研修を受けていたり、企業独自に研修をつくられていたりしていて、その結果が思わしくないことが理由でお声をおかけいただいたというケースが多くあります。
実際、本書に紹介されているデータ(2012年グローバル化を進める大手製造業の従業員1000人を対象)では、自社の英語企業研修に「満足していない」と答えた割合が52.3%だったのに対して、「満足している」と答えた割合は13.5%でした。
すなわち、英語研修には失敗が少なくないというのが、多くの日本企業の抱える現状だと思います。
では、企業が貴重な経営資源であるお金と時間(従業員の労働力)をかけて実施しているにもかかわらず、このような惨憺たる結果となってしまっている原因は一体何なのでしょうか。
その疑問に対して本書では以下のような指摘がなされていました。
「その理由は、内容、評価方法、研修期間など、いろいろ考えられます。企業向けの英語研修を設計する場合、その業種や職種の独自性と専門性などから生じるニーズを反映させる必要があります。その上で、部門や事業という切り口で、職務で求められるニーズを把握し、各部に配属されている社員の英語力とのギャップをどのように埋めていくかを考えなくてはなりません。そして、期間や予算の制限に見合うように、ジャンルの価値序列を考慮に入れながら体系的に研修内容を組み立てなければなりません。」
まさにその通りとしか言えない的確な指摘だと思います。
それぞれの社員さんに求められる「本当のニーズ」を把握し、社員さんの現時点での英語力を的確に評価すする。そして期間や予算という制限の中でそのギャップを埋めることができる研修を考えられれば、確実に満足度は高まり、企業英語研修の成功率は上がるはずです。
ですから、まず企業がそのためにやるべきことは、「上記のことを実行・管理できる研修人材」の確保です。
究極の理想は、研修に責任をもつ部署の担当者がその人材となって、ゼロから研修メニューを組み立てて運用するということなのだと思いますが、実際にはそれは難しいと思います。
だからこそ、私たちのような英語研修機関が存在しているわけですから。
であれば、少なくとも、研修担当者は自社が導入する英語研修機関の研修を実際に体感した上でその仕組みを理解し、それがニーズと社員の現状とのギャップを埋めるに足るメニューであることを確信している必要があります。
ランゲッジ・ヴィレッジが、企業の研修担当の方にまず、ご自身が各レベルごとに「文法講座」や「国内留学」を実験的に受講されることを強くお勧めしているのはこのことが理由です。
企業担当者様には、是非その確信を持ったうえで英語研修機関の選定をしていただきたいと思います。