日本人と英語

不要な前置詞をネイティブはどう感じるのか

2025年12月4日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログでご紹介した「英作文の技術」からテーマをいただいて書いていきますが、第一回目のテーマは「ネイティブの感覚」についてです。

ランゲッジ・ヴィレッジの「文法講座」の中では、SV,SVO,SVCの三つの文型をそれぞれの文が自動詞、他動詞、be動詞(イコール動詞)のいずれを含んでいるか判断することによって即座に分類することが何よりも重要だとしています。

ただ、英語では他動詞であっても日本語では自動詞、もしくはその逆もありうるので、実際にはなかなか判断しきらない場面も出て来てしまいます。

よく混乱しがちなものとして以下のようなものが挙げられます。

①  mary you なのかmary with you なのか

➁ reach you なのかreach to you なのか

③ discuss it なのかdiscuss about it なのか

④  listen to music なのかlisten music なのか

⑤ object to the plan なのかobject the plan なのか

⑥ oppose you なのかoppose to you なのか

⑦ gradudate from Waseda なのかgraduate Waseda なのか

(*これらすべて前者が正解)

実際のコミュニケーションの現場では、これらを逆にしたとしてもまず間違いなく誤解を生じさせることはなく通用します。

ただ、このように前置詞が不要な場合に前置詞が置かれた文やその逆の文を聞いたネイティブスピーカーはどのように感じるのかというのは我々日本人としては興味のあるところです。

本書ではこのような日本人の様々な疑問に、著者の一人であるマーク・ピ―ターセン先生がネイティブの感覚をリアルに伝えながら回答するというコラムがたくさん掲載されています。

今回は、この点についてのマーク先生の回答を以下に要約引用します。

「簡単に言えば、ネイティブスピーカーが①②③の後者ような文にでき話したとして、いささか不思議に思うかもしれないが、当然それぞれ前者のつもりであることがその瞬間にわかる。要するに単に典型的なカタコト英語だと感じるだけである。これに対して、前置詞toなしの④の後者と⑤の後者の場合、通常、何を言われたかはその瞬間にはピンとこず、文脈によって少し考える時間が必要かもしれない。また、例えば英語圏育ちの日本語学習者が『I kissed her.』の意味のつもりで『私は彼女にキスをした』と言わず、『私は彼女をキスした』と同じように、やや不気味に感じ取られる可能性もなくはない。最後に⑦の後者の言い方に出会うときに感じることは、母語がイギリス英語かアメリカ英語かによって変わる。イギリス人なら自分も同じように言うので何も感じないはずだが、大多数のアメリカ人は普通『He graduated from Waseda.』というので、変に感じる可能性が十分にある。ただし、イギリス英語に触れることの多い、多少教養のあるアメリカ人なら、『イギリスっぽいな』と感じるだけだろう。なお、極端な場合の話だが、イギリス英語の方がかっこいいと思ってわざわざ自分から『He graduated Waseda.』と気取って言うアメリカ人も少なくないだろう。」

私の個人的な感覚としては、

④のlisten musicが、「『I kissed her.』の意味のつもりで『私は彼女にキスをした』と言わず、『私は彼女をキスした』と同じように、やや不気味に感じ取られる」というのはかなり実感を伴って理解できたのですが、⑤のobject the planもそのレベルの違和感を感じさせるという指摘には正直驚きでした。

とは言え、冒頭の「実際のコミュニケーションの現場では、これらを逆にしたとしてもまず間違いなく誤解を生じさせることはなく通用します(と思ってきました)。」という私の感想を否定するほどのことでもなさそうです。

 

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