日本人と英語

伊藤博文の「日の丸演説」

2025年10月18日 CATEGORY - 日本人と英語

(右から大久保利通、伊藤博文、岩倉具視、山口尚芳【読み:ますか】、木戸孝允)

書籍紹介ブログでご紹介した「英語と明治維新」からテーマをいただいて書いてきましたが、第三回目のテーマは日本の「外交デビュー演説」です。

1871年から二年間にわたって西洋視察を行った「岩倉使節団」は、岩倉具視特命全権大使、木戸孝允、大久保利通、伊藤博文、山口尚芳ら副使(全権大使の代理),そして津田梅子(当時6歳)ら留学生を含む総勢107名という空前絶後の大視察団でした。

最初の訪問地であるアメリカのサンフランシスコでの歓迎会にて、伊藤博文が得意の英語で「日の丸演説(The Land of the Rising Sun)」を披露して、日本が旧体制を倒して欧米にならぶ近代国家への歩みを開始したことを熱く訴えたことが紹介されていました。

(伊藤博文が「日の丸演説」を行ったサンフランシスコのグランドホテル)

その原文をウェブ上で探しましたがどうしても全文を見つけることができませんでした。

かろうじて見つかったのは、このサイトページで、そのありかを示す「日本語の演説原稿は、資料2の『伊藤博文演説集』のほか、資料3『伊藤博文伝』などに見つけることができる。原文については、1872年刊行のチャールズ・ランマンの著作『The Japanese in America.』の中に見つけ出すことができる。」という手掛かりのみ。

この「伊藤博文伝」の中の日本語原稿について解説しているブログ記事1ブログ記事2ブログ記事3ブログ記事4が見つかりましたが、英語原文があるというチャールズ・ランマンの著作「The Japanese in America.」の中の情報を探しましたがとうとう見つけることができませんでした。

最後のブログ記事4で取り上げられている「我国旗の中央に点ぜる赤き丸形は、最早帝国を封ぜし封蝋(ふうろう)の如くに見ゆることなく、将来は事実上その本来の意匠たる、昇る朝日の尊き徽章となり、世界に於ける文明諸国の間に伍して前方に且つ上方に動かんとす。」という最終部分が、この演説が「日の丸演説」と言われる所以だと思われます。

そしてこちらの英語原文だけはwikipediaの「伊藤博文」のページの中にありました。

「The red disc in the centre of our national flag shall no longer appear like a wafer over a sealed empire, but henceforth be in fact what it is designed to be, the noble emblem of the rising sun, moving onward and upward amid the enlightened nations of the world.」

現代の日本の政治家の中にもここまで高尚な文章をスピーチに織り込むことができる人はいないと思われます。

ですから、日本の外交デビューのスピーチとしてはこれ以上ないもので、強烈なインパクトをアメリカ国民に与えたことは間違いないと思いました。

 

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