日本人と英語

stealとrobの「目的語問題」について

2025年12月5日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログでご紹介した「英作文の技術」からテーマをいただいて書いていますが、第二回目のテーマは「似た動詞の微妙な違い」についてです。

英語の動詞を覚えて使えるようにするためのプロセスにおいて大きな壁として立ちはだかるものに、似たような意味なのにその扱いのルールに大きな差がある動詞の存在があります。

典型的なものが「steal(盗む=窃盗する)」と「rob(盗む=強盗する)」で、具体的には以下のような違いがあります。

以下、本書より該当部分を要約引用します。

「Tom stole a handbag from a lady.

Tom robbed a lady of a handbag.

stealもrobも他人の所有物を不当に自分のともに引き寄せるという点では共通の意味を持ちますが、stealでは目的語として『物』が置かれ、用いる前置詞はfrom でそのあとに『被害者』が置かれ、robでは目的語として被害者が置かれ、用いる前置詞はofでそのあとに物が置かれます。」

この二つの動詞についてこのような違いがあり、私たちはそれをただそういうものだとして無理やり記憶するしかないというところに、冒頭私が指摘した「大きな壁」が存在してきました。

そこで、前回同様、マーク・ピ―ターセン先生がネイティブの感覚をリアルに伝えながら回答するというコラムから、この件に関するものを以下要約引用します。

「steal(盗む=窃盗する)の目的語としては『盗まれる物』が目的になるのに対して、rob(盗む=強盗する)の目的語としては『盗まれる被害者』が目的語になるという意味では、前者にとっては、誰から盗んだかよりも、何を盗んだかの方を優先して述べたい情報であり、後者にとっては、何を盗んだよりも誰から盗んだかの方が優先して述べたい情報であるという違いがあることになる。であるから、例えば『彼は自転車を盗んだ』を『He stole a bike.』と表現すれば普通の英語になるが、『He robbed a bike.』という言い方は当然ない。逆に、『彼は銀行強盗をした』を『He robbed a bank.』と表現すれば普通の英語になるが、『He stole a bank.』という言い方は当然ない。」

なるほど、目的語が、盗みの対象である「物」であるか盗まれた「被害者」であるかという文幸三の違いが、その動詞がどこに着目ているのかの違いで生じているというのは非常に分かりやすい解説でした。

なお、前置詞に関しては前者のfromは日本人にとっても分かりやすいがofはなかなか難しいという指摘が本書の中でされていましたが、このブログでは以前に「ofとoffそしてfromの違いについて」という記事で確認済みですのでこちらも併せてご確認ください。