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なぜ習慣を作ることは難しいのか

2015年11月6日 CATEGORY - 代表ブログ

最後のダイエット    

 

 

 

 

 

     皆さん、こんにちは。 先週は、予防医学研修者の石川善樹氏の「大きなことを成し遂げるために必要なのは、夢を持つことではなく、小さなことを積み重ねるづける習慣をつくることだ」という研究結果について取り上げました。 今回は、石川氏の講演の中でも紹介されていた、彼の近著「最後のダイエット」の中から引用しながら、では「なぜ、習慣を作ることは難しいのか」について考えてみたいと思います。

このことについて、本書では脳の仕組みから説明をしています。その部分を要約しながら引用してみます。

「人間の脳は、原始的な生物から少しずつ進化してきました。小さい脳がだんだん大きくなってきているので、中心に近づくほど本能的で、動物的な機能を果たしています。『習慣』を司るのは、一番中心部にある古い脳です。ですから、習慣を作るためには、この古い脳に教え込む必要があります。しかし、この脳の特徴は、『大きな変化』を極度に嫌がるということです。なぜなら、これまでと変わったことが起こるのは、身に危険が迫っているサインかもしれないからです。」

つまり、意志のちからで、なにか「違うこと」を行おうとすることは、新しい脳(大脳)の力でこの人間の本能を司る古い脳の力に反抗するということなのです。 ですが、この古い脳は、生存のための根本的なものであるため、通常は新しい脳の力よりもずっと強力です。 この古い脳と新しい脳の力関係が、まさしく人間にとって新しい「習慣」を作ることをここまで難しくさせている原因です。 そのため、ダイエット習慣のように、新しい「習慣」を作ることを実現するためには、古い脳をうまく「だまして」、新しい行動を受け入れさせるかどうかがカギとなります。 それは以下のように行うべきだと著者は言います。

「古い脳は頑固ですが、単純です。ですから、大きな変化を小さな行動に分解して、少しずつ実行することで、古い脳をうまくだますことができるのです。」

本書は、ダイエット本ですので、ダイエットにおける上記の行動を詳細に説明しています。 ダイエットは、歴史上、人類が果敢に取り組んできたけれども、あえなく失敗し続けているものの一つに取り上げられる成功率が低いものです。 なぜなら、仮に一時は、減量に成功したとしても、それは一時的なもので、またリバウンドしてしまうケースがあまりに多いからです。 これは、上記の考え方に当てはめてみると、「新しい脳による意志の力で一度に大きな変化をおこすことで、減量に成功したとしても、それは古い脳の極度の抵抗にあって元に戻る、もしくはより悪化させることになってしまう」ということだと考えられます。

ですから、ダイエットの基本である「カロリーを減らすこと」「運動をすること」を、ある程度時間をかけることによって、それらを小さなタスクに小分けし、少しずつ実行することで、古い脳に気づかれないうちに、「習慣化」してしまうことが、著者のいう「最後のダイエット」になるわけです。 考えてみると、人間の成長のほとんどは、本能のままに生きることを指令する古い脳(小脳)による支配から、新しい脳(大脳)による自らの意志による支配への移行に他ならないことが分かります。 そして、それはダイエットに限らず、私たちが生業にしている「教育」についても同じことが言えます。