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アイデアの「実現」方法

2014年6月4日 CATEGORY - 代表ブログ

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皆さん、こんにちは。

前回記事では、アイデアの「捕獲」方法ということで私のA6ノートと一橋大学の楠木教授の考えをご紹介しました。

今回は、その「捕獲」した後の「実現」の方法について考えてみたいと思います。

このことを考えるに非常に参考になる本があります。アイデアの実行面だけを専門に研究するシンクタンク「99%会議」の創始者スコット・ベルスキ氏の「アイデアの99%」です。

前回ご紹介した私の方法はあくまでもアイデアを「捕獲」する方法でしかなく、その捕獲したアイデアを「実現」するということは全く次元の違うことです。私も150冊以上にわたって「捕獲」したアイデアのうち具体化、もしくは間接的にでも効用を発したものはどのくらいかと考えると正直情けなくなります。

本当に価値のあるのはアイデアそれ自体ではなく、そのアイデアの「実現」によって世の中に何らかのプラスの影響を与えることです。

しかし、その実現方法を体系的に教えてくれる人はそんなに大勢いません。だからこそその価値が高いと言えるわけで、この本によって世の中が得られるプラスの影響は計り知れないと思います。

スコット・ベルスキ氏は本書の中でアイデアの実現には「仲間力」が重要だと言います。

何かを実現するには一人よりチームが有効なのは言うまでもありません。このチームを構成する人間をまず、以下の三つの性質に分類します。

「夢追い人」「片づけ魔」「両刀使い」です。

まず、「夢追い人」。とても才能があり、常に新しいアイデアを考えているけれども整理ができないので何も実行できない人。「片づけ魔」は物事の手順に常に集中して、常に物事の実現性に固執する人です。そして、「両刀使い」はその両方を演じることができる能力を持った人です。

これらは、人間の性質を三つに分類したものにすぎないため、あくまでも相対的なものです。ですから、どれが良くてどれが悪いというものではありません。特に、普通に考えれば、「両刀使い」が一番魅力的だと思うかもしれません。しかし、これにも限界があります。どちらの性質も兼ね備えるということは小さくまとまってしまっていわゆる「器用貧乏」的な存在になりやすいと考えられなくもないわけですから。

だからこそ「仲間力」が重要なのです。

そして、その「仲間力」の威力を最大化するには自分がいずれのタイプかを把握し、自分に足りない部分をもっている人とのコラボレーションを図ることが重要だと言います。

ここまでは、別に新しくもなくよく聞く話だと言えなくもありません。しかし、本書ではこの「仲間力」の本質を的確に解説している点が印象的でした。

それは、「責任」と「舞台」です。

自分一人でやっている間は、自分のことだけ考えていればいいですが、チームができれば、他人に対する「責任」が生じます。その責任によって自らをいい意味で追い込むという効果があります。また、そのチームが大きくなればなるほど、そのアイデアを実現する「舞台」も大きくなって、より大きな効果を期待できます。

この二つの目に見えない「仲間力」の本質がアイデアを実現に近づけることになります。

でも、このことは前回の楠木教授の「無努力主義」に思いっきり矛盾してしまいます。「責任」や「舞台」など「努力しなきゃ……」と思わせる仕組みに他ならないわけですから。(笑)

しかし、逆説的ですが、だからこその「仲間力」ということかもしれません。

楠木教授の「無努力主義」に基づく圧倒的なアイデアは「努力」が伴ってしまうと圧倒的ではなくなってしまうことは事実かもしれません。しかし、彼にとっての「責任」、例えば出版社の存在、および「舞台」、例えば大学の存在がなければ、彼の圧倒的なアイデアが世の中に影響を与えるべく、届けることはできなくなってしまいます。

もちろん、楠木教授はそのことを完全に分かっていて、「仲間力」と「無努力」の最高のバランスをとりながらアイデアを最も効果的な形で実現しているのだと思います。

 

 

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