
スキップできない広告
2015年2月18日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
前回の記事「組み合わせの妙」を書くにあたって、youtubeで目的の動画を探しているときにとても珍しい経験をしました。
それは、動画の初めに流れる広告のクオリティが高すぎて、スキップできないという体験です。
youtubeのCMは、4秒くらい見たらスキップできるようになっていますので、皆さんもそうだと思いますが、通常はすぐにスキップします。
しかし、そのCMには冒頭から圧倒されてとうとう最後まで食い入るように見てしまいました。
それが、このソフトバンクのCMです。
ソフトバンクがかつてのボーダフォンジャパンを買収して、ソフトバンクモバイルというブランドに変更したのが、2006年でした。
当初のテレビCMは今でも鮮明に覚えていますが、キャメロン・ディアスやブラッド・ピットといったハリウッドの一流スターを使った、ものすごくスタイリッシュなものでした。このCMでソフトバンクは、新規参入者ではありましたが、その存在感を一気に世に示したと思います。
キャメロン・ディアス編
ブラッド・ピット編
しかし、一般大衆向けの業界では、あまり高級感やセンスにこだわることは、実際の売り上げにつながらないことが多いとされています。携帯電話事業というのはあくまでも一般大衆が利用するサービスですから、一時的に存在感を示してもそれが継続的な売上増加につながるとは限りません。
ここがソフトバンクのすごいところなのですが、これらのCMによって、自社のセンスのよさを見せつけることに成功した後、消費者に一気に身近に感じてもらうためのCM攻勢をかけます。
それが、今でも継続している「白戸家」シリーズです。
キャメロン・ディアスやブラッド・ピットからいきなり犬のお父さんというすさまじい変化によって、最初はそれが何を意味するのか良く分からないような広告だと認識されたと思いますが、そのストーリーが少しずつつながり始めることで、見事に消費者の心をつかみます。
このシリーズは2007年6月から今に至るまで、その時々の世相を取り込みながら、ソフトバンクの革新的サービスを的確に、そしてやわらかく伝えることで実際の売り上げにつなげる非常にすばらしい広告としての実績をあげ続けています。
そして、携帯電話業界の中で確固たる地位を獲得した今、このタイミングで再びこのセンスの良さを、あのお父さん犬に絡めて出してくるという離れ業です。
それは、スキップできないのも無理はありません。
消費者の心にここまで揺さぶりをかけるたった90秒の芸術作品。
大胆に両側に振れ、確実に心をつかむこれらの作品は、私にとっては参考にはとてもなりませんが、脱帽としか言いようがありません。