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テクノロジーの向上とマニュアル能力の衰退

2013年7月21日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先日の韓国アシアナ航空の事故に関しての以下のような記事がありました。

テクノロジーの向上が人間のマニュアル能力の衰退を引き起こしているという何とも皮肉な現象に考えさせられてしまいました。

記事は こちら

この記事で特に印象的だったのは、「新世代の航空機になればなるほど自動システムに重きを置くようになり、リスクを回避しようとする航空会社はパイロットのマニュアル飛行の技術を、実際のフライトではなくシミュレーターで維持することを促している。」という部分。

気になったので、実際に航空機の事故の発生率がどのように推移しているのかを調べてみました。

1974年から1985年くらいまで一定して発生率は全世界で100万フライト当たり1.8件。2008年時点で、100万フライトあたり0.4件。2010年には100万フライトに0.37件。という状況のようです。

ここ25年で5倍ちかくも改善しているということになります。

この結果を見てしまうと、航空会社としてはテクノロジーの向上に大きな信頼を置いて、お客様を乗せているときにはコンピューターに任せ、できる限り人間のマニュアルに頼る部分を排除するべきだという考えになるのも当然かもしれません。

そして、万が一コンピューターの制御がきかなくなってしまうという最悪の事態に備える意味で、実際のフライトではなく,シミュレーターにて数少ない「その時」に準備するというのが正しい行動なのかも知れません。

しかし、どんどん「いざ」というときは少なくなっていきますので、どうしてもその少なくなった「いざ」を実際に体験したことのある経験豊かなパイロットも少なくなるという循環が生じてきます。

この循環を好循環ととらえるか、悪循環ととらえるか。

統計だけを見ると前者だと思います。でも、人間はもともとアナログな生き物ですので、感覚的にはどうしても心配になってしまうということだと思います。

航空業界に限らず、いろんな業界でこのような人間のマニュアル技術の締め出しが行われています。

自動車のハイブリッド技術等のハイテク化が進み、自動車修理がもはや部品交換のみとなりほとんど修理工の技術が不要となってしまってきているとも聞きます。

こうなってくると、技術のコアの部分について理解している人間がほんの少人数となり、しかも専門分化せざるを得ないので、全体の機構にについて理解している人間となるとほぼゼロという事態になりかねないのではと危惧します。

しかし、数字上ではそれでいいのだという結果が出ていますので、アナログな人間の気持ちの整理次第だという風にかたずけてしまうべきでしょうか。

非常に悩みどころだと思います。

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