ネット情報とアナログ情報
2018年9月17日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
2018年9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震は、最大震度7という大きなもので、今現在も多くの方が日常生活に戻れていません。
このような大災害が起こった時には、まず生活に必要な食料や生活の場はもちろんですが、それと同等に「情報」が求められます。
今回の地震は、その地震自体の大きさとともに、一時北海道全域に停電が発生したことで、この情報が入手できず、多くの人々の生活を不安に陥れました。
実際に、電気が通った店舗などでは、商品を販売できなくても、携帯電話(スマホ)の充電スペースとして被災者にコンセントを提供する場面が何度も報道されていました。
多くの方が食料や水と同様の優先順位でスマホから情報を得ようとされていることがこの報道から分かったのですが、実はこのスマホから得られる「情報」が必ずしもありがたいものではないのかもしれないという以下のような話を聞きました。
多くの方がスマホをもつようになり、ネット上にはスマホが浸透していない時代には得ることのできなかった現場に密着した情報とともに、かなりデマ・憶測に基づく情報が流れやすくなります。
そのため、悪意のある人間が意図的に情報を流しているケースばかりではなく、善意の人間もそれら悪意ある人から受け取った情報をSNSなどで、良かれと思って積極的に流すことで結果的にマイナスの情報が拡散してしまうことにもなるのだそうです。
つまり、ネットの情報は玉石混交だということです。
このネットの情報の性質は何も大災害の時だけ問題になることではありません。
あふれる情報の中から、自分にとって有用なものを選択するスキルを身に付けなければならない責任はネットを使用する人間にあるのだと思います。
ですから、ネット社会に生きる私たちにとってそのスキルはある意味常識として持っておくべきレベルのことかもしれません。
ですが、大災害の時は、その「情報」の真偽が命に係わる問題となります。
そして、普段であれば玉と石に分けることが可能な人でも、そのような緊急時にはそれが難しい状況に置かれることも十分に考えられます。
そこで、役に立つのが情報の発信に責任を持った主体からのアナログ情報、特に最小限のエネルギーで取得できる「ラジオ」からの情報が力を発揮しているようです。
迅速性には欠けるかもしれませんが、水や食料の供給場所や救助隊の活動場所などの正確な情報は「情報の発信に責任を持った主体」から得るのが一番だからです。
普段は「情報の発信に責任を持った主体からのアナログ情報」はその主体の主観で切り取られているので、その性質が生の情報としてのネット情報と比較され評価を落としているようにも思えますが、この性質は再評価されるべきかと感じました。