メルカリは日本人を変える?
2017年6月14日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
以前(2017年4月5日)に「中古が嫌いな日本人」という記事を書きました。
そこでは、日本人は中古が嫌いで、なんでも新品にこだわり、住宅でも自動車でも新品と中古の価格差は世界的に見ても圧倒的に大きいという話をしました。
私は、アメリカ留学やフランス留学時に、彼らの古いものに対する価値感覚に触れ、日本人のこの「中古嫌い」は社会的に大きな損失につながると確信しました。
それ以降、私は将来どれだけお金持ちになれたとしても、「家と車は中古に限る」ということを貫こうと思っています。
そんな記事を書いてから二か月しかたっていない中で、そんな日本人の「中古嫌い」の性質が変わりつつあるかもしれないという現象についての記事が先日(2017年5月31日)の日経MJに載っているのを見つけました。
記事のタイトルは「今どきの高校生スマホで稼ぐ」です。
最近、スマホアプリやネットサービスで巧みにお金・ポイントを稼ぐ高校生が増えているとのこと。特に、メルカリをはじめとするフリーマーケットアプリで中古品売買してお小遣いを稼ぐことが一般的になっているようです。
「3,000円で買ったシャープペンが3万円で売れました。」
「ブックオフは安いから使わない。ネットのほうが確実に高く売れます。」
これらの言葉は、商品の価値が新しいか古いかで決まるのではなく、「必要な時にそれが手に入る」ということで決まってくることを表しており、必要な人とそれが不要な所有者とをマッチングさせることができる仕組みによって、その価値を最大化することができることを意味していると思います。
とはいえ、今までの日本にも、マッチング市場たる中古市場がなかったわけではありません。
中古住宅を扱う不動産業者も中古車業者も、身の回りの物を扱うリサイクルショップだって存在していました。
ですが、それらの仕組みがピンポイントでマッチングを実現できていたかといえば、そうとも言い切れなかったと思います。
また、団塊の世代といわれる世代やその世代によって育てられた私たちくらいの世代は、「お古」という言葉が非常に身近に感じられることからも、「中古」=「みじめ」といったイメージが固定化されていたと思います。
「中古が嫌いな日本人」の記事の中でも書きましたが、「流行」を追いかけてモノの「顔」が変えてしまうというのはまさにこのことを表していると思います。
それに対し、昨今のインターネットの発展は、ピンポイントでマッチングするという課題を技術的に解決することに成功しました。
そして、そのことが当たり前と考えるデジタルネイティブたる若者は、生まれた時から物があふれた環境の中で、「中古」=「みじめ」といったイメージとは無関係な育ち方をしてきました。
その結果、彼らは古い新しいにかかわらず、「必要な時に必要なものが手に入る」ことを素直に価値として認めることができるというメンタリティを持つに至ったといえるのかもしれません。
それが、単なる高校生の「お小遣い稼ぎ」のツールに過ぎないということであっても、日本人の価値感覚の転換に関する一つの表れであることは事実だと思いますので、私はその意味でこの記事を非常に好意的にとらえました。