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国を守るのは企業?それとも政治?

2011年6月12日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

日本のものづくりが危機に瀕しています。

2010年10月時点で、トヨタ自動車の豊田章男社長は、

「今の日本での生産の状況は大変に厳しいが、トヨタグループはものづくりをなくしてはいけないとのこだわりを強く持っている。トヨタが(国内生産縮小を)やったら、ものづくりで生きているこの国がどうなるかとの危機感がある。」

と言っていました。

このときは、日本は今も続く超円高に直撃されていたときでした。

ところが、昨日2011年6月10日、同じくトヨタ自動車の豊田章男社長は、

「安定供給、安全、安心な電力供給をお願いしたい。日本でのものづくりが、ちょっと限界を超えたと思う。」 

と発言し、前出の円高に加え、このたびの原子力発電所事故による電力の不足による産業の不安定化を問題視しています。

この発言は、直接的にもう日本から出て行きますといっているわけではないようにも思えますが、同じくトヨタの小澤哲副社長は翌11日、次のように述べられました。

「ユーロ安、ウォン安のなかでの円高。独、韓のライバルメーカーは為替面で恩恵を受けている。加えて、通商政策、税制面など、海外企業には後押しとなる要素がある。特に韓国社との国際競争力は差がついている。どこまで日本でのものづくりにこだわるのか、すでに一企業の努力の限界を超えているのではないかという見方もできる」

『もうこだわりきれない」というようにより踏み込んだ発言をしています。

円高の問題はおいておいても、原発の問題、それから通商政策、すなわちこれはTPPの問題の先送りのことをおっしゃっているのだと思いますが、あまりに政府がだらしなさ過ぎる。

もういい加減にしてくれ!といいたいのではないでしょうか。

それ以外にも、震災対応によって、菅政権の目玉であったはずの法人税減税の見直なども、日本から企業を追い出す要因となっています。

やることなすこと、このとおりです。

企業の目的は、愛国や国家への貢献ではありません。

利益を追求することです。

それによって、税収が確保され、間接的に社会に貢献することができるのです。

利益が確保できなければ、継続できないわけですから、国を守るために損失を覚悟で日本に残るという企業はひとつもありません。

仮にそうしようとしても、その株主が許さないのですから不可能なのです。

だからこそ、社会の安定化の責任は政府、行政にあるはずなのです。

企業経営者の決断は「待った」なしです。

政治の決断は、「待った」だらけ、、、

そうこうしているうちにも、企業経営者は決断を下さざるを得なくなっているのに。

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