日本を今一度洗濯し候
2017年8月21日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
現在(2017年7/1~8/27)、静岡市の静岡市美術館で「坂本龍馬展」が開かれています。
土佐藩から脱藩した一介の浪人の立場で幕末の世を縦横無尽に駆け回り、明治という新しい世を切り開くために重要な役割を果たしつつ、その結果を見ることもなく倒れた志士として、知らない人はいないくらい有名な人物です。
私はアメリカ留学時代、日本語の禁断症状?に悩まされおりまして、日本から多くの書籍を定期的に送ってもらうことで何とかその症状を抑えていました。
その中に、司馬遼太郎の「龍馬がゆく」があり、全8巻というかなりの長編ではありますが、狂ったように通読したという経験がありますので、彼への思い入れは通常の人よりは大きいと思います。
私は自由奔放に生きながら結果を出す坂本龍馬という人物に大きな憧れと同時に、一介の脱藩浪士である彼がその立場であそこまでの活躍などできるわけもなく、あくまでもこれは歴史小説の脚色の世界であって、坂本龍馬の活躍は実在しなかったのではないかという疑念も抱いていました。
そのため、今回静岡で「坂本龍馬展」が開かれるということで、その疑念を払拭してくれる新事実に出会えるのではないかと非常に楽しみでした。
実際に「坂本龍馬展」を見て感じたのは、龍馬が公職についていなかったこともあり、正式な彼の業績を証明する証拠資料はかなり少ないということでした。
ただ、彼はかなりの筆まめだったようで、実物の手紙がたくさん展示されていました。
特に3歳上の姉・乙女には心のうちを明かす手紙を多く書いていますが、それらの非常に生々しい文面から、彼が当時の歴史の中枢に絡んでいたことは間違いないだろうはよく分かりました。
あの有名な「日本を今一度洗濯し候」というセリフも乙女に宛てた手紙の一文ですが、そうでなければよほどおかしな人ということになってしまいます。(笑)
「龍馬がゆく」には、その人間の大きさとともに、どこか憎めない三枚目のところが魅力として描かれていますが、これらの手紙はそれを確かに証明する物でした。
展示は8/27までですので、ご興味がある方は是非機会を見つけてお運びください。