普通の産業へのスタート地点
2013年8月4日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
TTPへの協議への参加が決定されて、農業に対する聖域化からの脱却をどのように行っていくべきなのかを日本人全体で考えなければならない時期がついに来たといえるのではないでしょうか。
そんな時期だからでしょうか、いろいろな媒体で農業を真剣に普通の産業としてとらえ、経営している農業経営者たちの特集が目立つような気がします。
先日のカンブリア宮殿で「和郷園」の紹介がされ、雑誌WEDGEのウェブ版では新進気鋭の農業経営者二人の対談が特集されていました。
これらの人々の考え方は非常に素晴らしいということはまちがいのないことです。
ものすごく頼もしく感じました。
しかし、それ以上に感じたことは、このような間違いのない考えを持ち、それを実践している経営者がそれだけでマスコミに取り上げられることになってしまう「農業」という産業のいびつさというものでした。
彼らは記事中で以下のような発言をされています。
「ぼくらが高校生から大学生のときにGATTウルグアイ・ラウンド(1986~95)があって、自由化論争が起こった。そのとき農家や彼らを保護している政治家が言ったのは「時期尚早だ」だったんですよ。それから30年経って、まったく同じロジックでTPPに反対しているわけですよね。それはもう許されないだろう。30年間、何をやってきたんですか? と言いたい。」
他の産業においては、消費者が何を求めているかを考えること「マーケティング」、もっと品質の高い商品を作り出す努力「研究開発」などを同業者たちとの競争の中で高めていくということは「当たり前」のことです。
農業という産業にも、その当たり前のことをすべきなのだと認識するチャンスが、30年前にもあったのに、それを見ないふりしてしまった。
仮に30年間という期間で、日本の他の産業の成功例などを題材にして試行錯誤を繰り返してきていたら、今の姿はどうだったのだろうかと思ってしまいます。
「Never too late」・・・遅すぎることはない
というには余りに惜しい30年だとは思いますが、でも彼らのような存在がいるということもやはり事実です。
今がその普通の産業へのスタートです。