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本格的なグローバル化へ

2019年3月25日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先日(2019年3月15日)の日建電子版に日本のグローバル化が本当の意味で進行してきたことをうかがわせる記事がありましたのでご紹介します。

それは、「特許侵害などの知財訴訟で英語の使用を認める「国際裁判部」の新設を検討する」という以下のような記事です。

「検討テーマの一つが、知財に関する訴訟で英語を使うことを認める「国際裁判部」の新設だ。司法制度改革の一環で、05年に設立された知財高裁の専門部として設けることを目指す。外国企業は日本語で審理する日本の裁判所の利用に慎重だ。日本企業と外国企業の絡むビジネス紛争解決は日本以外が舞台になる例が多く、日本企業の訴訟コストの上昇などにつながる。専門家には「訴訟コストの軽減や時間の短縮につなげるためにも、日本企業には国内での紛争解決を望む声がある」(一色太郎・外国法事務弁護士)との見方もある。日本で裁判することで、日本企業が知財を守りやすくなりそうだ。現行の裁判所法は「裁判所では、日本語を用いる」と規定している。法廷での弁論は日本語を原則とし、英語で記された書面を提出する場合は最高裁規則で日本語訳を添付することも義務付けている。国際裁判部の実現には同法の改正などが必要となる。」

これは、日本の国家運営にとって非常に大きなターニングポイントとなるような気がします。

「司法」は白黒をはっきりつけるという意味において、その判断の根底における情報の重要性が際立っていると思います。

いまだに「裁判官への心証」などといった言葉があるように、司法には情報の裏側の言葉のニュアンスによって結果が異なってくるという現実もあるわけで、これは本来あってはならないことだと思いますが、そのニュアンスや言語の背景にある文化の影響まで考えると非常に大きな変化だと捉えざるを得ないからです。

つまり、この問題は、グローバル化という国家間の相対的な問題と、「情報」がどの言語で切り取られるのかによる言語の影響力という絶対的な問題の両面をはらんでいることになります。

今までは、そのことをよく分かっている外国企業が日本における審理を嫌い、「日本企業と外国企業の絡むビジネス紛争解決は日本以外が舞台になる」ことが多かったわけです。

そしてそのような現実は、記事の中で言っているように、「日本企業の訴訟コストの上昇」を招くだけではなく、「日本企業の知財を守りにくくなる」という消極的不公平を招くことになります。

本当のグローバル化とは、私たちが単純に考える一般使用言語にとどまらず、これら制度の使用言語にまで及ばざるを得ないということを見せつけられたような気がします。

気の遠くなるような話ですが、日本人として避ければ避けるほど問題が深刻化するということもまた事実です。

 

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