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社長がつまずくすべての疑問に答える本

2026年1月23日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

経営者が成功するパターンは決して一様ではないということは世の中を見渡せば一目瞭然です。

学歴や資格、それ以外の努力、地頭の良さ、運の良さ等々、そしてこれらが様々な組み合わせで掛け算になって、その成功の理由になっていると思うからです。

ただやはり、はたから見ていて最も気持ちいいのは、「学歴や資格」という要素を排除した中での組み合わせ掛け算の成果としてのパターンを目にする時ではないかと思います。

眼鏡の販売で有名な株式会社オンデーズの創業者である田中修治氏はその典型例ではないかと、先日、NEWSPICKSにおける彼の「インタビュー動画」をたまたま拝見し、知ることとなりました。

その場ですぐさまアマゾンで田中氏の著書「社長がつまずくすべての疑問に答える本」を購入し、読んでみました。

本書における著者の考え方を一言でいうと「成功はアート、失敗はサイエンス」ということになります。

つまり、誰かを真似することで成功はできないが、失敗をしないための方法については誰かの真似を含め科学的に取り組むことで次なる失敗を回避できるということです。

そうすれば、成功による大勝ちは保証はできないけれども、少なくとも大量失点によるコールド負けすることはなくなり、いつまでもプレーを続けることができる。そして、プレーを続けることができれば、そこはアートの世界であるため、いつヒットするかどうかは分からないが、そのヒットを生み出す可能性をすべての経営者が保留できるのです。

このように、本書には成功の仕方はほとんど書かれていないのですが、失敗を科学することで同じ失敗を回避する「考え方」と「手順」が、約500ページにもわたって書かれています。

しかも、彼の実体験をもとに非常に具体的にです。

そこで以下にその一例を要約引用します。

「まだ誰も思いついていない画期的なアイデアなんて存在しないということを私は学びました。良いアイデアというのは大抵どこかで誰かがすでに思いついているものです。ではなぜあなたが思いついた画期的だと思うアイデアが世の中に普及していないかと言うと、『ニューズがない』か『実現に高いハードルがある』のどちらかです。僕は17年前に『店舗での視力測定をリモートでやったら画期的だ』とひらめきました。しかし、実際に実行に移そうとすると、通信速度による会話や機械操作の遅れ、画質の悪さなどが重なり、対面で測定をするのと比べて、かなりのストレスを感じてしまいました。仮にそれらをクリアしても、今度はレンズをつけてテストするには人手が要るので、大した人員削減効果がないというシミュレーションも出て来て結局、実現には至りませんでした。つまり、アイデアが画期的だから誰も実現していなかったのではなく、業界で誰も実現できていない理由がちゃんとあったのだと分かりました。」

この通り、「(画期的な)閃き」は成功を約束しませんし、それが失敗だということは後から必ず科学的に明らかにすることができるということです。

ただ、この話には続きがあります。

「しかしその十数年後、オンデーズは日本中の全ての店舗で遠隔によるリモート測定を実用化されることができました。これは当初問題が山積みでも、そこで終わりにせず、一つ一つの課題に対して根気強く対策をしていき、実証実験を繰り返し続けた結果でした。会話や機械操作のずれによる気持ちの悪さは、専用回線を引き、通信速度、使用するウェブ会議システム、スピーカーやマイクを何十種類と試し最適なものを見つけることで、限りなく対面と変わらない環境を作り出すことでクリア。店内での見え方のテストは未経験者でも簡単に補助ができ、かつ短時間で終わるようにマニュアルを整備、細かなオペレーションを組みたてることでクリア。全国からリアルタイムで寄せられるリモート検査の需要と受け手側の測定員とのマッチングは、専用の予約システムを作り、過去の販売実績・季節性・トレンド・天候・イベントなどの要因を学習して、未来の需給予測のアルゴリズムをもとに最適なマッチングを自動で行えるようにしてクリア。まさに微に入り細を穿つ改善を繰り返し続けてようやく実用化にまでこぎつけることができたわけです。」

しかしです。

「そして、ここまでやって実用化にこぎつけたものの、その先で待っていたのは『多くのお客様がリモートで対応されることに慣れていないが故の漠然とした気持ち悪さ』という元も子もない壁でした。そのため、導入当初はリモート測定をご案内してもほとんどのお客様に断られてしまうという残念な結果となってしまいました。」

しかししかしです。

「ちょうどそのタイミングでコロナ禍がやってきて一気に世間の風潮は、非対人、リモートに対して寛容になり、これが追い風となり、図らずともオンデーズのリモート視力測定は広くお客様に受け入れていただけることができました。最後は運が良かったわけです。」

これはまさに、失敗を科学することで同じ失敗を回避し、少なくともコールド負けせずにプレーを続け、最終的にヒットを生み出すチャンスを手にしたということで、「成功はアート、失敗はサイエンス」を地で行くものであったわけです。

経営者として非常に参考になる一冊でした。

 

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