メジャーリーグで覚えた僕の英語勉強法 #100
2015年2月22日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 メジャーリーグで覚えた僕の英語勉強法
【著者】 長谷川滋利
【出版社】 幻冬舎
【価格】 ¥1,300 + 税
【購入】 こちら
記念すべき「書籍紹介ブログ」100冊目は、ちょっと古いですが1997年にオリックスからメジャーリーグに移籍後、活躍した長谷川滋利選手の著書です。
長谷川氏は、もちろん日米両方で大活躍した選手ですが、メジャーリーグで野球をしたいからアメリカに渡ったのではなく、アメリカに住みたいからメジャーに行ったというぐらいアメリカに憧れていて、メジャー移籍のかなり以前からオフのたびにアメリカへ渡り、ホームステイしながら勉強をしていたという程です。
その英会話の腕前はこのビデオの通りです。
また、もともと野球推薦ではなく、受験勉強で入学すべく名門 立命館大学(結果的には推薦)に入っただけあって、経済書を愛読し、ロッカールームでウォールストリートジャーナル読む唯一のメジャーリーガーと言われるほどビジネスマンとしての資質に長けているとの声も多く聞かれたようです。
そんなこともあって、とても元野球選手が著した本だとは思えないほど論理的な書かれ方をしているのに驚かされます。おそらく、ゴーストライターではなく長谷川氏ご自身が書かれているのだと思います。
本書の中で一番印象的だったのは最初に彼を英語学習に駆り立てたきっかけです。
先述の通り、彼はしっかりとした受験勉強を経て大学に入りました。そして、受験科目の中でも英語は彼の得意科目だったと言います。それなのにもかかわらず、米国にて当時の米国人コーチのホームパーティーに呼ばれた際、コーチの米国人の友人からの「Where are you staying?」という一言が全く聞き取れなかったというのです。この出来事は、長谷川氏に大きなショックを与えました。
実は、私も自著に書いていますが、自らの人生を決めることとなった米国留学を決断するきっかけが、弟の留学先であるオーストラリアのマクドナルドの店員さんの「For here or to go?」の一言が全く聞き取れず、また理解もできなかったことでした。
長谷川氏は、このことについて以下のように述べています。
「自分の英語が全く使い物にならないという事実を把握してしまったとき、人間は二つのパターンに分かれると思う。一つは『こんなことも分からないんだから、どれだけ勉強しても身につかないだろう』と諦めモードに入ってしまう人。こういうタイプの人はいくら必要に迫られて英語を勉強するようになっても、上達が遅い。もう一つのタイプは、『どうしたら英語が上達できるかと、自分なりに考えて、勉強を始める人』である。自分の英語力には何が欠けているのか。それをきっちり認識した上で、教材を買い、そして時間を有効に使って、英語に取り組む。これこそが上達への最短距離だ。(一部加筆修正)」
その通りだと思います。
英語を学ぶ最初のきっかけと、その後のアクションも全く同様のプロセスをたどったことに、勝手にですが、何かご縁のようなものを感じました。
私としては、長谷川氏のいう「自分の英語力には何が欠けているのか」を「日本人の英語力には何が欠けているのか」というように、より一般化したうえで、その本質を突き詰めることで現在のランゲッジ・ヴィレッジのビジネスにつなげたこともあり、記念すべき100冊目の紹介には本書を選ばせていただきました。
文責:代表 秋山昌広