【書籍名】　英語脳スイッチ！

【著者】　　時吉　秀弥

【出版社】　ちくま新書

【価格】　　￥900＋税

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著者が研究されている「認知言語学」は、人間の世界の捉え方や人間関係や感情の表れとして文法があると考える学問であり、タイトルにある「英語脳」とは「英語話者の世界や人間関係の捉え方」ということができるようです。

その意味でいえば、本書の主題は「認知言語学」の知見に触れ、私たちの「日本語脳」をできる限り「英語脳」に近づけ、「英語を使う人々の心の中までも理解すること」になりそうです。

ただ、本書の目的は「英語を使う人々の心の中までも理解すること」に限定されていません。

というのも本書は、英文法を単なる「ルール」ではなく英語で気持ちを表すための「ツール」であるという前提で英語を学ぶことによって英語話者の心の中を覗き、翻っては日本語話者である私たちがどのように世界を捉えているかを客観的にとらえられるようにすることにあると著者は言います。

つまり、母語の運用能力の向上こそが外国語を学ぶ真のメリットであるということを私たちに伝えることが本書の最終目的だということのようで、実際にその目的は大部分達成されているというのが私の感想です。

著者がこれまでいかに英語と深く付き合ってきたかがじわじわ伝わってくる素晴らしい内容でした。

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