日本語力と英語力 #37
2014年5月10日 CATEGORY - おすすめ書籍紹介
【書籍名】 日本語力と英語力
【著者】 齋藤孝 + 斎藤兆史
【出版社】 中公新書ラクレ
【価格】 ¥720+税
【購入】 こちら
かなり前の本になりますが、最近テレビに引っ張りだこの齋藤孝先生と英語教育を真剣に考える学者の筆頭だと私が思っている斎藤兆史先生の夢の対談をまとめた一冊です。
私も齋藤先生のおっしゃる「国語がすべての教科の基礎」という考えに大賛成です。このことから考えれば、小学校で英語を教える時間があるならば国語を徹底すべきだという考えにもなりますし、昨今の英語の文法軽視の方向性もあり得ないということになります。
その上で、日本語学者、英語教育学者という立場の違いを超えてお二人の考え方が(気持ち悪い程に)ぴったりと一致していることに驚かされます。
日本語にしても英語にしてもまず「型」を身に着けることに力を入れることが最も重要だとおっしゃいます。
そして、まず日本人であれば、日本語(国語)の「型」の習得に力を入れることが、英語も含め、他のすべての教科の「型」を身に着けるコツをつかませることになるという考えに納得です。
そして、「型」さえ身についてしまえば、「先生増殖方式」が可能となるという考えは正にその通り!と膝を打ってしまいました。
以上のお二人の議論は、「中学3年までは文法語彙の今よりも徹底したインプット教育」と「高校以上はその知識を前提として体育や美術のようなアウトプット教育」の連携という私が「理想の学校英語教育」として提案している考えにぴったり合っていると思ったからです。
この提案については こちら をご参照ください。
齋藤孝先生は先述の通りテレビでも大活躍ですが、同時にご自分の私塾「齋藤メソッド学習塾」という活動もされていたようです。
制度としての学校教育があるべき方向に進まない状況に黙っていられず自ら行動を起こしてしまうという気持ち、本当によくわかりますし、頭が下がります。
文責:代表 秋山昌広