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本質的な顧客サービスとは何か

2026年3月9日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

「マイル修行」という航空会社の上級会員ステータスの資格を得ることを目的として、1年間に、短距離を数十回、または長距離を複数回往復してポイントを貯める行為があることをご存じですか?

私もかなり前からその名前だけは聞いてことはありましたが、実際にどのようなことなのかを調べることもせずにいましたが、先日初めてそれを実行されている方に会い、その詳細を知ることとなりました。

その資格とは、例えば、空港ラウンジの無料利用、優先チェックインや手荷物優先取扱い、優先搭乗、座席のアップグレードなどを得られる権利です。

そのような権利は、顧客にとって「特別感」を感じられるものであり、またそれを得るために苦労すればするほどその「特別感」は強固なものとなるでしょうから、その資格を得られたらその顧客の当該航空会社に対するロイヤリティはほぼ完ぺきなものになり他社への乗り換えの障壁は非常に高くなるはずで、顧客・航空会社双方にとって合理的な仕組みに思えます。

ところが、この「マイル修行」の仕組みに思わぬ落とし穴があったという以下のようなニュースがありましたのでご紹介します。

「沖縄県の離島、多良間島と宮古島を結ぶ空の便は、多良間島民にとって通院や行政手続き、生活物資の輸送を支える生命線である。しかし、2025年末ごろからこの路線で異常事態が発生した。JALグループのマイレージステータス獲得を目的とした、通称『マイル修行僧』が殺到し、島民が予約を取れない状況が続いたのだ。問題の背景には、JALが2024年1月に導入したステータスプログラム『JAL Life Status プログラム』がある。生涯搭乗実績が重視される仕組みに移行したことで、国内線の短距離で搭乗回数を稼げる路線に需要が集中した。ここで確認しておくべきことは、JALグループが提示したキャンペーンにのっとり、正当な運賃を支払って搭乗するマイラー自身に法的な非はないという点だ。しかし、航空輸送が公共交通機関である以上、そこには一定の倫理性が求められる。対応策についてJALは、『当該路線に対する2月3日以降の新規予約分をキャンペーン対象外とする』『予約済み客への払い戻し協力の要請』『臨時便の設定』などを挙げている。本来、マイル修行客はJALを深く愛し、支えてくれる大切な上客である。彼らが『多良間に行きたい』と願う気持ちを、制限や排除という形で冷え込ませるのは得策ではない。一方で、島民の生活が脅かされる事態は断じて防がねばならない。」

この記事は、実需者である島民の生活に思いを寄せながらも、この「マイル修行」を前提とするJALグループのマイレージステータスの存在に疑問を挟むような内容ではありませんでした。

そこに私はかなりの違和感を感じざるを得ませんでした。

「特別感」による「ロイヤリティ」を顧客に持たせるためのプログラムを、「マイル修行」のようものを排除できないような設計しかできないのはなぜか、また仮にそれができないとしたら、それ以外の方法で同じような効果を生じさせることができるプログラムを作り出す可能性を模索しないのはなぜか。

この環境保護が企業経営と切っても切り離せない時代の中で、不要な搭乗を繰り返すような明らかな無駄が予想されるプログラムの是非に関しての議論が航空会社はもちろんのこと、この記事においても生じないこと自体に問題があると私は思います。

そのような議論は、本質的な顧客サービスとは何かを考えれば当然にして生じるはずの感覚だと私は思うのですが。