日本人と英語

日本とアイスランドと外国語教育

2017年12月4日 CATEGORY - 日本人と英語

先日(2017年11月25日)の読売新聞の朝刊にアイスランドの外国語教育を紹介する記事がありました。

「北海道と四国を合わせたほどの国土に約34万人が暮らす北大西洋の小さな島国アイスランド。国民の多くが公用語アイスランド語に加え、英語、デンマーク語と3か国語を解する。10年間の義務教育期間中に二つの外国語を学ぶのが、その理由だ。英語は日本でも2020年度から小学5.6年で教科化されるが、アイスランドでは4年生から必修科目となっている。7年生からは第2外国語としてデンマーク語も学習する。もちろん、外国語に苦手意識を持つ生徒もいるが、『小さな島国から世界に羽ばたくためには必要ですよ』と校長先生は語る。」

人口34万人のアイスランドと1億3000万人の日本を単純に比べるつもりはこの記事にはないのかもしれませんが、同じ島国ということで、最後に『小さな島国から世界に羽ばたくためには必要ですよ』と校長先生のコメントをつけて、日本もアイスランドに見習うべきだとする流れには少し待ったをかけたいと思いました。

彼らの方法がうまくいっているのには、日本にはない彼らに特有の事情が理由となっています。

それは、以前にこのブログにて「なぜ北欧の人々は英語が上手なのか」という記事にも書きましたが、改めてここでも取り上げます。

「このような規模の国々では、自国語だけでは経済的にやってはいけません。例えば、出版物ひとつとってもその国の言葉で出版してもとても採算が取れないわけです。それは、映画やテレビ、ラジオなどすべてに言えることです。基本的にミリオンセラーが存在し得ないのです。このような状況では、ディズニーアニメを子どもに楽しませようと思ったり、将来、高等教育を受けさせようと思ったら、小さい頃から当たり前のように英語を学ぶことになるのです。」

しかも、アイスランドの主要産業はオーロラや火山を目指してやってくる外国人相手の観光業ですので、外国語を話すということが彼らにとっては日常であるということを忘れてはいけません。

つまり、好き嫌いに関わらず、学校で習ったことをすぐに「使う」という環境がそのまま社会に存在しているということです。

以前のブログにてご紹介しましたが、「中学生が英語を使って迷子を助けた」ということがヤフーのトップニュースとなってしまう日本と大きく違うところなのです。

「普段は使う機会が全くない」という環境下で、「いつか使うかもしれない」から英語を学ぶのが日本という国における現実です。

ですが、今の日本における事情は、その「いつか使うかもしれない」可能性が今までになく高まってしまっているということなのです。

この課題に対する最も有効な解決方法を学校教育は見つけ出す必要があります。

それは、決して、「日本の英語教育はダメだから、文法や語彙などをガリガリやることでなく、決まり文句をどんどん覚えていくべきだ。」という方向性ではないことは確かです。

そして、それでもだめだから、無尽蔵にお金と時間をかけてアイスランドや北欧の国々のように小さいころから外国語教育に資源を投入するという消耗戦の方向性でもありません。

「いつか使うかもしれない」時が現実になった時に、きっちりと「中学文法と語彙の知識」が頭の中に入っていて、必要となった時に確実にそれを「使う」環境を享受することができること。

このことをいかに実現するかが、日本における戦略的な外国語教育観だと思います。

少なくともランゲッジ・ヴィレッジはこのことだけを考えて英語教育に携わっています。