日本人と英語

スポーツ実況中継の英語

2017年3月10日 CATEGORY - 日本人と英語

先日、書籍紹介ブログで「MLBイングリッシュ」をご紹介する中で、スポーツの実況中継の英語について次のように書きました。

「私自身、あの独特の抑揚のある実況に「恐れ」をなしてしまい、食わず嫌いの感が否めないといったところでしたが、本書は、その「恐れ」をかなりの部分取り除いてくれ、むしろ、とっかかりやすさに勝る「映画」と比べても、ずっと簡単に楽しむことができるようになることに気づかせてくれます。」

今回の記事では、なぜそのように感じたのかを書きたいと思います。

映画活用専門英語学習法」のページでも詳しく説明しておりますが、映画を特に英語学習初心者の方にあまりお勧めできないのは、「使える英語」を身に着けるためにはほぼ無関係な、①文脈の問題と②専門性の問題の二つの高すぎるハードルが存在するからです。

①文脈の問題とは、日本語圏と英語圏の文化習慣の違いから、言語の背景についての理解不足のために文字面の把握だけでは理解ができないことです。

②専門性の問題とは、その専門分野における語彙の不足から純粋に文字面の理解ができないことです。

そして、この二つのうち、どちらのハードルが高いかと言えば、圧倒的に①文脈の問題だと言えます。

専門性については、単純にその語彙を増やしていけば済む話なのに対して、文脈の問題は、生活・文化の違いからくるものなので、そう簡単に解決ができないからです。

ですから、ランゲッジ・ヴィレッジでは、映画を活用して英語学習をする際に、①文脈の問題はほぼ諦め、②専門性の問題の解決のみに的を絞ってお勧めをしています。

それくらい、映画というのは、その「とっかかりやすさ」に反して、実際には英語学習者にとって厄介なものなのです。

一方で、「スポーツの実況中継」についてはどうでしょうか。

映画の時に問題となった二つのハードルについて見てみましょう。

まず、①文脈の問題については、「野球」「サッカー」等、そのスポーツの枠の中で話が収まるわけですから、問題となり得るのは、その国のチームや選手の事情等に限定されてくるので、映画に比べればほとんど問題にはならないでしょう。

そして、②専門性の問題については、そのスポーツにおけるルールはほぼ日本と同一でしょうから、問題となるのは呼称などの語彙だけですので、これらを単純に整理して覚えることが、ほぼこの問題の解決手段ということになります。

ただし、ここは少しだけ注意が必要です。

それは、「野球」にしても「サッカー」にしても、英語圏から入ってきているものですから、日本でも英語由来の語彙を使用しているケースがありますが、そのうちのかなりの割合が、いわゆる「和製英語」であるからです。

例えば、野球でいえば、デッドボールは「hit-by-pitch」、タッチアウトは「tag out」、ゴーサインは「green light」といった具合で、既に覚えているものをまずは間違いであるという認識をして、記憶を消去した上で、再び正しい語彙を記憶するということになります。

しかし、一般英語の語彙の数からすれば、たかが知れていますので、覚えてしまえば済む話です。

ですから、これら二つのハードルで考えれば、映画と比較すれば圧倒的に楽だと言えるでしょう。

あとは、何度も何度も実際に聴くことで、「あの独特の抑揚」になれることだけです。

そうすれば、皆さんが漠然と抱いていた「とっつきにくさ」はほどなく消えていくと思います。