日本人と英語

循環構文(タフ構文)とは何か

2021年11月17日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「日本人なら必ず誤訳する英文」から実に十回にわたってテーマをいただいて書いてきましたが、ようやく今回が最終回です。

十一回目のテーマは「循環構文」です。

と言われても、それが何を意味するのかを分からない方の方が多いと思います。分かる方はよほどの英語通でしょう。

循環構文とはタフ(tough)構文とも言われ、

It is tough to please him. (彼を喜ばせるのは大変だ。)

のように、文の核になるのが、tough,difficult,hard,easy,pleasant,terrible,niceなどの「難・易」または「快・不快」を表す形容詞である構文で、次の様な言い換えもできるような例外的な構文です。

He is tough to please.

しかし、この言い換えは本来なら絶対に許されないものです。なぜなら、文法的に考えれば「彼は喜ばされる」のですから

He is tough to be pleased.

というように受身表現にならなければならないからです。

それなのに、to pleaseの部分が不変でも「循環構文」という特別な立場を与えられ正しい構文とされているというわけです。

ここまでこの「循環構文」の説明をしてきましたが、今回本書から引用するのは「You’d be so nice to come home to(冒頭写真および下の動画参照)」という誰もが聞き覚えのあるJAZZの名曲のタイトルの謎をこの構文によって解き明かしている部分です。

以下、該当部分を引用します。

「この曲は日本で当初、『帰ってくれれば嬉しいわ』という訳題がつけられましたが、実はこれは英文の意味とは違っていたため、最近は現代のままで通っているようです。一見、『帰ってくれれば嬉しいわ』で何が違うのか、という気がするかもしれません。’dはwouldの省略形なので、他視界に仮定法の意味合いがあります。しかし問題は最後のtoです。この役では、文末のtoの説明がつきません。これを解決するには『循環構文』を使います。」

ここでこの「You’d be so nice to come home to.」を「タフ構文」であるとして、もともとの「It is (It’d be)」⇒「It would be」の形に直してみますと、

⇒ It would be so nice to come home to you.(あなたのもとに変えるのは何とniceなことか)

となります。つまり、先ほどのかつての訳題と全く正反対で、帰るのはあなたではなく、私だったということが分かります。

これからは心置きなくこの曲を聴くことができます。

 

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