他人の英語は最高の教師
2017年10月15日 CATEGORY - 日本人と英語
前回に引き続き、先日ご紹介した書籍「中年英語組」から、トピックをピックアップしてみたいと思いますが、今回のトピックは、レッスンにおける個人とグループの違いについてです。
普通に考えたら、個人レッスンのほうが、価格も高いですし、自分が発言できる時間もずっと多くなるはずですので、圧倒的に価値が高いと思われます。
実際に、ランゲッジ・ヴィレッジでも、コストとパフォーマンスのバランスという経営的な意味合いがグループレッスンというスタイルをとっている大きな理由でもあります。
しかし、そのことは、大きな理由であることは事実ですが、ランゲッジ・ヴィレッジがグループスタイルをとっている絶対的な理由というわけではありません。
それは、私は、グループレッスンの方が個人レッスンよりも高いパフォーマンスを発揮する場合も条件によっては十分にあると思っているからです。
本書で著者は英会話習得に係わる様々な体験談を披露してくれていますが、この点に関して、まさに「そのとおりだ」と思える部分がありましたのでご紹介します。
「英会話を上達させたいと思っていても、直接ネイティブスピーカーから学ぶには場数を踏む必要があるし、聞き取ることがまず大変である。その点、英語の上手な日本人の会話をよく聞くことである。日本人の英語はいくら上手でも聞きやすい。できるだけ英語の表現で気に入ったものをメモするようにしている。日常の会話でも、ああなるほど良い表現だなと思えば、覚えるように心がける。」
私も、アメリカ留学時代、この感覚をものすごく実感した記憶があります。
「ああなるほど良い表現だな、いただき!」と思えるものは、実はネイティブスピーカーからよりも、自分より少しだけレベルの高い人が発したものであることが多かったように感じるのです。
英語を使って生活するレベルが上がる感覚というのは、自然体で耳から相手の言っていることが入ってくるようになったり、スムーズに自分の口から言うべきことが出てくるようになったりするような漸進的な上達と、ある特別なフレーズを自分のものにしたことによって、ハードルを越えるような瞬間的な上達という二種類の感覚があるように思います。
少しだけ自分より上手な日本人から「いただく表現」というのが、まさにこの後者のパターンだと思います。
なかなか、具体的に例をあげろと言われると難しいのですが、例えば「それは場合によるね」という表現を、「It depends.」とか、「どんなに○○が欲しくても」を「No matter how much ○○ you want」とか、これらを教科書的にではなく、体感的に身に付けられた瞬間というのは、誰か別の日本人の方が上手に使っている場面に遭遇した時だと記憶しています。
もちろん、前者のパターンについては、ネイティヴスピーカーの英語をできるだけたくさん聞くことに勝ることはないとは思いますので、これは、使い分けの問題ということになります。
ですので、ランゲッジ・ヴィレッジのレッスンに限らず、皆さんが受けるレッスンが、個別スタイルであるか、グループレッスンであるかということについては、このような視点をもって取り組むことで、そこから得られるメリットを最大化することができると思います。
ですから、グループレッスンで自分が発言する以外の時間を最大限に活用せずに、「時間がもったいなかった」というのは、非常にもったいないことだと思います。
他の人が発言している時こそ、「自分だったらどう答えるかな?」という頭の中での練習と、その人の答えと自分の頭の中での答えの比較を徹底的に行うべきです。
このような時間こそお宝時間だという認識をもって取り組んでいただきたいと思います。